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- なぜ日本の賃金は大きく上がらなかっただろうか-名目賃金の増加にもかかわらず、物価上昇により実質賃金は低下-
なぜ日本の賃金は大きく上がらなかっただろうか-名目賃金の増加にもかかわらず、物価上昇により実質賃金は低下-

生活研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任 金 明中
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- 日本の賃金水準はバブル経済が崩壊した1990年代から低迷が続いており、欧米の先進国との差が広がっている。
- 1989年以後の日本の給与所得者の年間平均給与の前年比引上げ率は、バブル経済が崩壊する直前の1990年とバブル経済が崩壊した1991年にはそれぞれ5.7%と5.0%で相対的に高い引上げ率を見せたものの、それ以後の引き上げ率は1%前後かマイナスの傾向が目立っている。
- 賃金が上がらない理由としては、マクロ的な側面で相対的に賃金水準が低い非正規労働者、女性、高齢者、サービス業従事者が増加したこと、低い生産性が改善されないこと、労働組合の組織率が下落し組合員が高齢化していること、日本経済の長期低迷の影響を受けた企業が値上げに積極的な動きを見せず、その結果企業が十分な利益を上げていないことが賃上げにマイナスの影響を与えていること等が挙げられる。
■目次
1――はじめに
2――日本の賃金動向
3――賃金が上がらない理由
4――むすびにかえて
(2022年12月27日「基礎研レポート」)

生活研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任
金 明中 (きむ みょんじゅん)
研究・専門分野
高齢者雇用、不安定労働、働き方改革、貧困・格差、日韓社会政策比較、日韓経済比較、人的資源管理、基礎統計
03-3512-1825
- プロフィール
【職歴】
独立行政法人労働政策研究・研修機構アシスタント・フェロー、日本経済研究センター研究員を経て、2008年9月ニッセイ基礎研究所へ、2023年7月から現職
・2011年~ 日本女子大学非常勤講師
・2015年~ 日本女子大学現代女性キャリア研究所特任研究員
・2021年~ 横浜市立大学非常勤講師
・2021年~ 専修大学非常勤講師
・2021年~ 日本大学非常勤講師
・2022年~ 亜細亜大学都市創造学部特任准教授
・2022年~ 慶應義塾大学非常勤講師
・2024年~ 関東学院大学非常勤講師
・2019年 労働政策研究会議準備委員会準備委員
東アジア経済経営学会理事
・2021年 第36回韓日経済経営国際学術大会準備委員会準備委員
【加入団体等】
・日本経済学会
・日本労務学会
・社会政策学会
・日本労使関係研究協会
・東アジア経済経営学会
・現代韓国朝鮮学会
・韓国人事管理学会
・博士(慶應義塾大学、商学)
金 明中のレポート
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