- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 保険 >
- 欧米保険事情 >
- 米国個人年金市場の動向(2022年11月)-「プロテクション」重視で成長を目指す米国個人年金販売-
2022年11月08日
米国個人年金市場の動向(2022年11月)-「プロテクション」重視で成長を目指す米国個人年金販売-
■要旨
米国の個人年金販売は、コロナによる2020年のマイナスを乗り越え、2021年には2008年の過去最高の販売額に次ぐ水準となった。
リムラは2020年の秋には、個人年金の販売額が2019年の水準に回復するのは2022年になるだろうとの慎重な見通しを公表していたが、その見通しははずれ、うれしい誤算となった。
さらに2022年に入ると、第2四半期と第3四半期に販売額が高進し、2四半期連続で、四半期ベースでの過去最高値を更新した。
販売商品を見ると、2021年中には増加傾向にあった変額年金が勢いを失い、かわって、定額年金が勢いを得ていることがわかる。
2022年第3四半期の確定利付き据置定額年金の販売額は、同商品としての過去最高の四半期販売額となった。リムラは、CD利率対比での同商品の利率の有利さと安全性が見直され販売が増加したとしている。
また2022年第3四半期の定額指数連動年金の販売額214億ドルも、2019年第2四半期に記録された同商品としての最高販売額200億ドルを上回るものとなった。
一方、変額年金に分類される登録指数連動年金(RILA)の販売は、伸び悩んでいる。リムラは、過去3年間にわたって年間30%以上の成長を続けてきたRILAの販売額が2022年には横ばいか5%未満の増加にとどまるだろうと予測している。
リムラは最近、加入者が何を重視して加入するかに着目して、個人年金の販売動向を把握しようとしている。具体的には、加入目的を、「今すぐの保証された支払い」、「後ほどの保証された支払い」、「保証+成長」、「市場の成長」に4区分し、さまざまな個人年金商品と生存給付特約の組み合わせを分類して、販売動向を確認している。
その結果、リムラは、今後は何らかの最低保証やダウンサイドリスクに対する保護(プロテクション)を付した商品や商品と生存給付特約の組み合わせが個人年金販売の推進力となるだろうと結論している。
■目次
はじめに
1――米国における個人年金販売の動向
1|過去最高に迫った2021年の販売業績
2|四半期単位で見る2022年の潮目の変化 定額年金が高進
2――個人年金商品と生存給付特約の組み合わせで加入目的別の販売動向を把握
さいごに
米国の個人年金販売は、コロナによる2020年のマイナスを乗り越え、2021年には2008年の過去最高の販売額に次ぐ水準となった。
リムラは2020年の秋には、個人年金の販売額が2019年の水準に回復するのは2022年になるだろうとの慎重な見通しを公表していたが、その見通しははずれ、うれしい誤算となった。
さらに2022年に入ると、第2四半期と第3四半期に販売額が高進し、2四半期連続で、四半期ベースでの過去最高値を更新した。
販売商品を見ると、2021年中には増加傾向にあった変額年金が勢いを失い、かわって、定額年金が勢いを得ていることがわかる。
2022年第3四半期の確定利付き据置定額年金の販売額は、同商品としての過去最高の四半期販売額となった。リムラは、CD利率対比での同商品の利率の有利さと安全性が見直され販売が増加したとしている。
また2022年第3四半期の定額指数連動年金の販売額214億ドルも、2019年第2四半期に記録された同商品としての最高販売額200億ドルを上回るものとなった。
一方、変額年金に分類される登録指数連動年金(RILA)の販売は、伸び悩んでいる。リムラは、過去3年間にわたって年間30%以上の成長を続けてきたRILAの販売額が2022年には横ばいか5%未満の増加にとどまるだろうと予測している。
リムラは最近、加入者が何を重視して加入するかに着目して、個人年金の販売動向を把握しようとしている。具体的には、加入目的を、「今すぐの保証された支払い」、「後ほどの保証された支払い」、「保証+成長」、「市場の成長」に4区分し、さまざまな個人年金商品と生存給付特約の組み合わせを分類して、販売動向を確認している。
その結果、リムラは、今後は何らかの最低保証やダウンサイドリスクに対する保護(プロテクション)を付した商品や商品と生存給付特約の組み合わせが個人年金販売の推進力となるだろうと結論している。
■目次
はじめに
1――米国における個人年金販売の動向
1|過去最高に迫った2021年の販売業績
2|四半期単位で見る2022年の潮目の変化 定額年金が高進
2――個人年金商品と生存給付特約の組み合わせで加入目的別の販売動向を把握
さいごに
(2022年11月08日「保険・年金フォーカス」)
経歴
松岡 博司のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2024/03/13 | 英国生保市場の構造変化-年金事業への傾斜がもたらした繁忙とプレーヤーの変化- | 松岡 博司 | 基礎研レポート |
2024/03/12 | 主要国の生保相互会社の状況-各国で株式会社と相互会社の競争と共存が定常化-デジタル化等の流れを受けた新しい萌芽も登場- | 松岡 博司 | 基礎研レポート |
2023/09/05 | コロナパンデミック前後の英国生保市場の動向(1)-年金を中核事業とする生保業績- | 松岡 博司 | 保険・年金フォーカス |
2023/07/19 | インド生保市場における 生保・年金のオンライン販売の動向-デジタル化を梃子に最先端を目指す動き- | 松岡 博司 | 保険・年金フォーカス |
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年12月13日
ECB政策理事会-3会合連続となる利下げを決定 -
2024年12月13日
インド消費者物価(24年11月)~11月のCPI上昇率は4カ月ぶりに低下、食品価格の高騰がやや緩和 -
2024年12月13日
海底資源探査がもたらす未来-メタンハイドレートと海底金属 -
2024年12月13日
日銀短観(12月調査)~景況感はほぼ横ばい、総じて「オントラック」を裏付け、日銀の利上げを後押しする内容 -
2024年12月13日
グローバル株式市場動向(2024年11月)-トランプ氏の影響で米国は上昇するが新興国は下落
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【米国個人年金市場の動向(2022年11月)-「プロテクション」重視で成長を目指す米国個人年金販売-】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
米国個人年金市場の動向(2022年11月)-「プロテクション」重視で成長を目指す米国個人年金販売-のレポート Topへ