2022年08月03日

2022年上半期はインデックス型の外国株式投信が投信販売をけん引

金融研究部 主任研究員   前山 裕亮

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2022年上半期は、追加型株式投信(ETFを除く。以後、投信)全体に4兆3,000億円の資金流入があった。ただ、2021年は上半期4兆2,000億円、下半期5兆4,000億円、1年間で9兆6,000億円の資金流入であったため、2022年上半期は2021年下半期と比べるとやや減少した。
 
2022年上半期の投信の資金動向を組入れている資産別にみると、様々な資産を組入れているバランス型投信には2022年上半期だけで2021年を超える資金流入があった【図表1】。その他にも国内株式投信、国内REIT投信、外国債券投信で資金流入に転じた。また、2021年に流出額が最も大きかった外国REIT投信からの資金流出も2022年に入ってほぼ止まった。
 
その一方で外国株式投信と国内債券投信への資金流入は2021年と比べて大幅に減少した。特に、外国株式投信には2021年に8兆3,000億円と過去最大の資金流入があったが、2022年上半期は2兆6,000億円と2021年から流入ペースがかなり鈍化した。外国株式投信の中では、株価指数に沿った運用を行うインデックス型以外のいわゆるアクティブ型への資金流入が1兆1,000億円となり、半年終わった段階で2021年の5兆8,000億円の2割弱にとどまっている。
 
アクティブ型の外国株式投信の資金動向を月次でみると2020年7月以降、大規模な資金流入が続いていた【図表2:左】。解約額が6,000億円を超える月もあるなど売却もそれなりに出ていたが、設定額が毎月8,000億円を超え、時には1兆2,000億円の月もあるなど売れに売れていたことが分かる。それが2022年に入ってから設定額が減少しており、それに伴って資金流入が鈍化している。
図表1:追加型株式投信(除くETF)の資金流出入
このようにアクティブ型の外国株式投信の販売がふるわないのは、これまで販売が好調過ぎたための反動の可能性もあるが、それに加えて足元の市場環境の影響も考えられる。2020年のコロナ・ショック以降は世界的に株価がほぼ右肩上がりに上昇してきたが、2022年は一転して米金融引き締めやウクライナ情勢の緊迫化、さらには景気後退懸念から大きく下落している。先行きに対する不透明感が高まる中、購入を見送る投資家も多かったと思われる。
 
特に2020年からハイテクやESGといった特定の投資テーマに注目した運用を行っているもの、いわゆるテーマ型投信が人気を集めてきた。しかし、足元では目ぼしい投資テーマがなく、実際に2022年に入ってから人気を集めているテーマ型の投信がない状況である。また、2021年は毎月分配型の一種である基準価額によって毎月の分配金が変動する、いわゆる予想分配金提示型の投信も、高い分配金の支払いが続いていたため人気となっていた。それが2022年に入ってからは予想分配金提示型も基準価額の下落に伴って高い分配金が出せなくなっていることもあり、人気に陰りが出てきた。
 
一方で、インデックス型の外国株式投信には2022年上半期に1兆5,000億円の資金流入があり、2021年1年間の2兆5,000億円を超える勢いの資金流入があった。このようにアクティブ型と異なり堅調である背景には、つみたてNISAの口座数が2021年末に500万口座を超え、インデックス型を用いた積立投資が浸透してきたことがある。
 
インデックス型の外国株式投信の毎月の設定額の推移をみると、2020年から2021年にかけて右肩上がりに増加し、それに伴って資金流入も急増した【図表2:右】。2022年に入っても設定額が毎月3,000億円を超え続けており、また解約額が増えている様子もみられない。ここ2、3年で積立投資を始めた多くの投資家が厳しい市場環境にも怯むことなく、積立投資を継続していることがうかがえる。
 
外国株式投信の中で流入金額自体も2022年上半期はインデックス型がアクティブ型を上回った。インデックス型の外国株式投信が投信全体の流入金額の3割強を占めており、投信販売をけん引したといえるだろう。
図表2:外国株式投信のタイプ別の資金流出入の推移
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金融研究部   主任研究員

前山 裕亮 (まえやま ゆうすけ)

研究・専門分野
株式市場・投資信託・資産運用全般

(2022年08月03日「ニッセイ年金ストラテジー」)

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