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- 好配当株ファンドの人気はいつまで?~2022年6月の投信動向~
コラム
2022年07月07日
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全体的には流入増加だが
6月は世界的に金融引き締めの加速とそれに伴う景気後退懸念から株価が大きく下落した。為替市場で5月末の1ドル128円台から6月末に136円台まで急速に円安が進行したため、基準価額が横ばいもしくは小幅な下落で済んだ外国株式ファンドも多かったが、少なくとも5月と同様もしくはそれ以上に利益確定売りなどの売却が出にくい状況であった。それにもかかわらず、アクティブ型の外国株式ファンドの資金流入が鈍化したことを踏まえると、6月はアクティブ型の販売が厳しかったと推測される。
個別に資金流入が大きかったファンドをみても、上位10本のうちアクティブ型の外国株式ファンドは2本(赤太字)しかなかった【図表3】。昨年までアクティブ型の販売を牽引してきたテーマ型や予想分配金提示型のファンドが上位10本には含まれておらず、足元では売れなくなってきていることが分かる。
個別に資金流入が大きかったファンドをみても、上位10本のうちアクティブ型の外国株式ファンドは2本(赤太字)しかなかった【図表3】。昨年までアクティブ型の販売を牽引してきたテーマ型や予想分配金提示型のファンドが上位10本には含まれておらず、足元では売れなくなってきていることが分かる。
不透明感が高い時に人気になる好配当株ファンド
このようアクティブ型の外国株式ファンドが総じて売れなくなる中、健闘しているのが「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド」(以降、グロインと表記)である。6月は純流入4位の毎月分配型と1年決算型の2本合計で400億円の資金流入がグロインにあり、実にアクティブ型全体への資金流入の3分の1を占めた。4月に51億円、5月に254億円と着実に資金流入が増加してきている。
そもそもグロインは安定的に高い配当の獲得を目指して銘柄選択し、投資することをうたっている好配当株ファンドを代表するファンドである。外国株式の好配当株ファンドはグロインを中心に2006年、2007年や2013年、2014年など過去にたびたび人気を集めてきた【図表4】。直近だと2019年に米中対立が激化し先行きの不透明感が高まる中、グロインが人気を集めた。
そもそもグロインは安定的に高い配当の獲得を目指して銘柄選択し、投資することをうたっている好配当株ファンドを代表するファンドである。外国株式の好配当株ファンドはグロインを中心に2006年、2007年や2013年、2014年など過去にたびたび人気を集めてきた【図表4】。直近だと2019年に米中対立が激化し先行きの不透明感が高まる中、グロインが人気を集めた。
現状、インフレや金融政策、さらには景気の動向など先行きに対する不透明感が高くなっている。また、2022年に入ってから高配当株も下落しているが、ハイテク株などと比べて下落幅は小幅で済んでいる。実際に好配当株ファンドのパフォーマンスが相対的に良いこともあり、再び注目が集まっていると思われる。
ただ、好配当株ファンドは2019年に人気を集めた後、2021年は外国株式ファンドが売れに売れていたにもかかわらず資金流出していた。2020年3月のコロナ・ショック以降、世界的に右肩上がりで株価が上昇する中、好配当株ファンドはその上昇に追随することができずパフォーマンスがいまひとつだったため、売却する投資家が多かったものと考えられる。今回も一時的な人気で終わってしまう可能性もあり、いつまでグロインを中心に好配当株ファンドの人気が続くのか動向が注目される。
ただ、好配当株ファンドは2019年に人気を集めた後、2021年は外国株式ファンドが売れに売れていたにもかかわらず資金流出していた。2020年3月のコロナ・ショック以降、世界的に右肩上がりで株価が上昇する中、好配当株ファンドはその上昇に追随することができずパフォーマンスがいまひとつだったため、売却する投資家が多かったものと考えられる。今回も一時的な人気で終わってしまう可能性もあり、いつまでグロインを中心に好配当株ファンドの人気が続くのか動向が注目される。
バランス型や国内REITも受け皿に
また、これまでアクティブ型の外国株式ファンドを購入していた投資家の資金の一部が、好配当株ファンド以外にもバランス型や国内REITなどにも流れている可能性もあるだろう。6月はバランス型に1,400億円、国内REITに600億円の資金流入があり、5月の800億円、600億円から増加した。バランス型、国内REITともにSMA専用のものを除外すると2022年に入って最大の流入であった。
なお、外国REITにも300億円の資金流入があったが、5月からほぼ横ばいであった。外国REITは海外の金融政策の影響を受けやすいこともあり、どちらかというと国内REITの方が投資家に選好されていると思われる。
その他、6月は国内株式や外国債券にも1,000億円の資金流入があった。国内株式は5月の600億円から増加したが、単純に株価下落に伴ってインデックス型中心に資金流入が膨らんだ面が強いだろう。外国債券は5月の40億円の資金流出から流入に転じたが、資金流入はほとんどがSMA専用もしくは2本の新設ファンド(青太字)への流入だった【図表3】。この2本の新設ファンドは為替ヘッジしているものであり、預貯金や国内債券の代替として売れたと考えられる。ただ、足元ではドルのヘッジコストが上昇しているため、ヘッジ付の外国債券は期待したような収益が短期的には上がらない可能性があり、注意が必要である。
なお、外国REITにも300億円の資金流入があったが、5月からほぼ横ばいであった。外国REITは海外の金融政策の影響を受けやすいこともあり、どちらかというと国内REITの方が投資家に選好されていると思われる。
その他、6月は国内株式や外国債券にも1,000億円の資金流入があった。国内株式は5月の600億円から増加したが、単純に株価下落に伴ってインデックス型中心に資金流入が膨らんだ面が強いだろう。外国債券は5月の40億円の資金流出から流入に転じたが、資金流入はほとんどがSMA専用もしくは2本の新設ファンド(青太字)への流入だった【図表3】。この2本の新設ファンドは為替ヘッジしているものであり、預貯金や国内債券の代替として売れたと考えられる。ただ、足元ではドルのヘッジコストが上昇しているため、ヘッジ付の外国債券は期待したような収益が短期的には上がらない可能性があり、注意が必要である。
中国株式ファンドが好調
1 (ご注意)当資料のデータは信頼ある情報源から入手、加工したものですが、その正確性と完全性を保証するものではありません。当資料の内容について、将来見解を変更することもあります。当資料は情報提供が目的であり、投資信託の勧誘するものではありません。
(2022年07月07日「研究員の眼」)
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経歴
- 【職歴】
2008年 大和総研入社
2009年 大和証券キャピタル・マーケッツ(現大和証券)
2012年 イボットソン・アソシエイツ・ジャパン
2014年 ニッセイ基礎研究所 金融研究部
2022年7月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会検定会員
・投資信託協会「すべての人に世界の成長を届ける研究会」 客員研究員(2020・2021年度)
前山 裕亮のレポート
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