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パンデミック、ウクライナ危機以降、世界保険市場はどうなっていくのか(2032年までの見通し)

保険研究部 上席研究員 兼 気候変動リサーチセンター 気候変動調査部長 有村 寛
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1――はじめに
1 Allianz Global Insurance Report2022 A decisive decade 24 May 2022(以下、Allianz Global Insurance Report2022)。
2 ALLIANZ INSURANCE REPORT2021 BRUISED BUT NOT BROKEN 12 May 2021(以下、Allianz Insurance Report2021)では、保険業界にとって2021年からの10年を“THE GOLDEN 2020s”とし、力強い成長が続くことを予測していた。なお、昨年公表された同見通しについては、小著「2021年以降の世界保険市場見通し」『保険・年金フォーカス』(2021年7月20日)にて概要につき紹介している。
2――2021年の世界保険市場の状況
3 Allianz Insurance Report2021によれば、2020年の世界の保険料収入の増加率は、全世界▲2.1%(生保▲4.1%、損保1.1%)、米国▲2.5(生保▲5.1%、損保0.2%)、西ヨーロッパ▲5.1%(生保▲7.8%、損保0.5%)、日本▲7.7%(生保▲9.6%、損保▲1.1%)と軒並みマイナスとなる一方、中国4.2%(生保5.4%、損保2.2%)、アジア(日本除き)2.9%(生保2.9%、損保3.1%)であった。
4 中国の2021年収入保険料増加率は▲1.7%となっているが、Allianz Global Insurance Report 2022によれば、破綻した保険会社のデータが統計に含まれない等、ルールの変更によるものであり、実質的な成長率は4%近いと推測している。
3――2022年以降、10年間の見通し
(図5)は、地域別に見た2022年から2032年の保険料収入平均増加率の予測である。全世界では4.8%(生保4.9%、損保4.6%)と予測しているが、中でもアジア、中国の伸びが著しい。
5 前掲注釈2参照。
6 Allianz Insurance Report2021によれば、2031年の予測値は(米国)生保899、損保822、(中国)生保914、損保406(単位はいずれも10億ユーロ)となっている一方、Allianz Global Insurance Report2022による2032年の予測値は、(米国)生保1033.8、損保1001.9、(中国)生保692.3、損保357.4(単位は同上)となっている。
4――おわりに
我が国のみならず、世界の保険市場がどうなっていくのか、今後も引き続き注視していきたい。
(2022年07月19日「保険・年金フォーカス」)
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03-3512-1822
- 【職歴】
1989年 日本生命入社
1990年 ニッセイ基礎研究所 総合研究部
1995年以降、日本生命にて商品開発部、法人営業企画部(商品開発担当)、米国日本生命(出向)、企業保険数理室、ジャパン・アフィニティ・マーケティング(出向)、企業年金G等を経て、2021年 ニッセイ基礎研究所へ、2023年7月より現職
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