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2022年05月10日
コロナパンデミック下のインドネシア生保市場(2)-2020年のインドネシア生命保険市場の概況-販売チャネル、資産運用、収益動向-
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■要旨
インドネシアの生命保険市場について、保険料収入、普及度合い、主力商品の状況を見た4月19日の『コロナパンデミック下のインドネシア生保市場(1)』の続編として、今回は、販売チャネル、資産運用、収益動向を見る。
インドネシアの生保市場は伝統的に専属保険エージェントをメインチャネルとして運営されてきたが、近年は銀行を通じた生保販売(バンカシュランス)が最大シェアを持つ販売チャネルとしての地位を獲得している。
2020年のコロナパンデミックでは、ソーシャルディスタンスを保つことが要請され、保険エージェントは訪問販売により顧客と対面で会う機会を失い、保険エージェントの販売シェアは減少した。
一方で、信用力に勝る銀行は、富裕層顧客に向けたファイナンシャルアドバイスやクレジットカード顧客への電話によるダイレクトマーケティング等も用いて、2020年、2021年の生保業績を力強く支えた。
その他のチャネルも20%に迫る販売シェアを持ち、無視できない存在となっている。その他のチャネルには、ダイレクトマーケティング、マイクロインシュアランス、乗合エージェント等がある。
投資資産の配分割合では、定期預金・CDや国債等など安全性の高い資産への投資割合を大幅に上回って、上場株式、ミューチュアルファンドというリスク性の資産への投資割合が大きい。これは販売する商品の中で、ユニットリンク保険が占める割合が大きくなったことに対応するものと考えられる。
2016年以降、インドネシア政府は、保険会社がインドネシア国債等の公共性の高い資産への投資割合を30%に増加させることを求めているが、こうした投資を通じた公共への貢献は、求められる水準には及んでいない。AAJI(インドネシア生命保険協会)は、投資対象の不足をこうした遅れの理由としている。
次回は、プレーヤーとしての生保会社の側面からインドネシア生保市場の現状を見ていくことにしたい。
■目次
はじめに
1――販売チャネル
(1) 保険エージェント
(2) バンカシュランス(銀行窓販)
(3) その他
2――資産運用
3――収益動向
おわりに
インドネシアの生命保険市場について、保険料収入、普及度合い、主力商品の状況を見た4月19日の『コロナパンデミック下のインドネシア生保市場(1)』の続編として、今回は、販売チャネル、資産運用、収益動向を見る。
インドネシアの生保市場は伝統的に専属保険エージェントをメインチャネルとして運営されてきたが、近年は銀行を通じた生保販売(バンカシュランス)が最大シェアを持つ販売チャネルとしての地位を獲得している。
2020年のコロナパンデミックでは、ソーシャルディスタンスを保つことが要請され、保険エージェントは訪問販売により顧客と対面で会う機会を失い、保険エージェントの販売シェアは減少した。
一方で、信用力に勝る銀行は、富裕層顧客に向けたファイナンシャルアドバイスやクレジットカード顧客への電話によるダイレクトマーケティング等も用いて、2020年、2021年の生保業績を力強く支えた。
その他のチャネルも20%に迫る販売シェアを持ち、無視できない存在となっている。その他のチャネルには、ダイレクトマーケティング、マイクロインシュアランス、乗合エージェント等がある。
投資資産の配分割合では、定期預金・CDや国債等など安全性の高い資産への投資割合を大幅に上回って、上場株式、ミューチュアルファンドというリスク性の資産への投資割合が大きい。これは販売する商品の中で、ユニットリンク保険が占める割合が大きくなったことに対応するものと考えられる。
2016年以降、インドネシア政府は、保険会社がインドネシア国債等の公共性の高い資産への投資割合を30%に増加させることを求めているが、こうした投資を通じた公共への貢献は、求められる水準には及んでいない。AAJI(インドネシア生命保険協会)は、投資対象の不足をこうした遅れの理由としている。
次回は、プレーヤーとしての生保会社の側面からインドネシア生保市場の現状を見ていくことにしたい。
■目次
はじめに
1――販売チャネル
(1) 保険エージェント
(2) バンカシュランス(銀行窓販)
(3) その他
2――資産運用
3――収益動向
おわりに
(2022年05月10日「保険・年金フォーカス」)
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