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2022年の税制改正による住宅ローン契約者への影響-住宅ローン減税から得られる経済メリットの最大化問題について
金融研究部 金融調査室長・年金総合リサーチセンター兼任 福本 勇樹
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3――住宅ローン減税から得られる経済メリットを最大化する借入額の水準
4 確定申告による所得控除の還付は年1回だが、毎月ある前提で簡易的に算出した
4――まとめ
しかしながら、控除期間終了後の利息支払額も小さくなる効果を踏まえると、住宅ローンの借入額をできる限り小さくした方がよいだろう。少なくとも控除期間が終了すれば、繰り上げ返済も積極的に進めた方がいいのかもしれない。例えば、新築のその他住宅を購入して、最適解である3,448万円を住宅ローンとして借り入れて、当初13年間は適用利率が0.4%で一定で推移した場合、経済メリットの総額は103万円程度になると先ほど言及した。その後14年目に0.5%程度の適用利率の上昇が生じて一定で推移すると、35年間の借入期間が終了するまでに利息支払額の負担は129万円増える。つまり住宅ローン減税から得られる経済メリットはその後の0.5%程度の金利上昇によって消失してしまう程度のものである。
このように、変動金利型住宅ローンで借り入れる場合には、将来の金利変動に晒されることを考慮に入れる必要がある。住宅ローン減税から得られる経済メリットを追求するだけでなく、住宅ローンの一部を固定金利型の住宅ローンで借り入れる(ミックスローンの活用)、預貯金を積み立てるなどしてリスクバッファを確保するなどの対応策も合わせて検討していく必要があるものと思われる6。
5 住友不動産販売HP「新築中古マンション市場動向(2021年11月)」を参考にした
6 詳しくは「変動金利型と固定金利型のどちらの住宅ローンを選択すべきか-市場動向から最適な住宅ローンの借入戦略について考える」(ニッセイ基礎研究所、2021年11月8日)などを参照されたい。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
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(2022年01月18日「基礎研レポート」)
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