2021年10月20日

新型コロナワクチンを「接種したくない」と思っていた人が接種を決めた理由

保険研究部 主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任 村松 容子

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■要旨

ニッセイ基礎研究所では、2020年6月から「新型コロナによる暮らしの変化に関する調査」を定期的に実施している。2021年7月に実施した第5回調査と、9月に実施した第6回調査の両方を回答した2,347人についてみると、7月時点でワクチンを「あまり接種したくない」または「絶対に接種したくない」と回答していた人のおよそ半数が9月の時点でも接種希望がなかった。一方、4割弱が9月の時点では予約、または接種を済ませており、1割強が予約は済ませていないものの接種意向をもっていた。

9月の時点で予約、または接種をすませていた4割弱について分析した結果、9月の時点でも接種意向がなかった人と比べて、7月の時点でワクチンの安全性への不安やワクチン不要という考え方は少なく、感染不安が高かった。さらに、7~9月にかけて、国内では感染の第5波があり自宅療養者が増加したことが広く報じられたことなどが影響して接種を決めた可能性があった。一方、7月の時点でワクチンを予約、または接種済だった人と比べると、接種を決めた理由として、ワクチンの効用への期待をあげる人は少なく、国内でのワクチン接種が進んだことや家族の勧めや接種しないことで不利益をこうむりそうであることをあげる割合が高かった。

■目次

1――はじめに
2――7月から9月における接種状況・意向の変化
 ~7月に「接種希望なし」の半数は9月にも「接種希望なし」」。4割は「予約・接種済」
3――ワクチンをすぐには接種したくない理由(7月時点)~「希望しない→予約・接種済」で、
 “様子見・順番待ち”、「希望なし(7~9月)」で“安全性への不安”“ワクチン不要”
4――感染による健康への影響に関する不安
 ~「適切な治療が受けられない」不安の有無でちがい
5――ワクチンを接種した理由(9月)~「予約・接種済(7~9月)」で自分や周囲のリスク軽減と
 「打つものだと思っていた」。「希望なし→予約・接種済」では家族の勧めや不利益をこうむり
 そう、周囲の接種状況
6――おわりに
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保険研究部   主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任

村松 容子 (むらまつ ようこ)

研究・専門分野
健康・医療、生保市場調査

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