- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 経済予測・経済見通し >
- 米国経済の見通し-個人消費主導で堅調な景気回復の持続を予想も、デルタ株感染拡大の影響を注視
2021年09月09日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■要旨
- 米国の21年4-6月期の実質GDP成長率(前期比年率)は+6.6%(前期:+6.4%)と前期並みの成長率を維持。個人消費が+11.9%(前期:+11.4%)と2期連続で2桁の伸びとなり、個人消費主導の景気回復が持続した。
- 堅調な個人消費は、新型コロナ感染者数の減少や経済活動制限の緩和に加え、経済対策に伴う可処分所得が増加したことが大きい。もっとも、足元でデルタ株の感染が拡大しているため、回復が顕著な対面型サービス消費への影響が懸念される。
- 経済見通しは、引き続き変異株の拡大など新型コロナの感染動向等に大きく左右される。当研究所は当面は感染者数が増加するものの、経済正常化の動きが継続することを前提として、個人消費主導の回復が持続し、21年の成長率は前年比+5.8%、22年は+4.2%の成長を予想する。21年の成長率見通しはデルタ株の感染拡大や、足元の経済指標の軟化などから前回見通し(6月)の+6.8%から下方修正した。
- 金融政策は量的緩和の買い入れペースの縮小開始は21年12月、政策金利の引き上げ開始は23年9月を予想。
- 上記見通しに対するリスクは引き続き、新型コロナとインフレ高進、米国内政治が挙げられる。変異ウイルスの影響で経済正常化の動きが停滞する場合や、FRBに対する信認低下などからインフレが持続的に加速し早期の利上げに追い込まれれば、経済の下振れ要因となる。一方、「米国雇用計画」、「米国家族計画」などの成長戦略が実現されれば、経済の上振れ要因となろう。
■目次
1. 経済概況・見通し
(経済概況)4‐6月期の成長率は個人消費主導で前期並みの伸びを維持
(経済見通し)成長率は21年が前年比+5.8%、21年は+4.2%を予想
2. 実体経済の動向
(労働市場、個人消費)回復基調の持続を予想も、デルタ株感染拡大の影響を見極め
(設備投資)供給制約が懸念も、回復基調が持続
(住宅投資)住宅市場の回復に陰り
(政府支出、債務残高)バイデン政権が目指す成長戦略は経済の上振れ要因
(貿易)海外経済の回復から外需の成長率寄与度はプラス転換へ
3. 物価・金融政策・長期金利の動向
(物価)インフレは当面高水準もピークアウトした可能性
(金融政策)21年12月のテーパリング開始、23年9月の政策金利の引き上げを予想
(長期金利)21年末1.6%、22年末2.0%を予想
1. 経済概況・見通し
(経済概況)4‐6月期の成長率は個人消費主導で前期並みの伸びを維持
(経済見通し)成長率は21年が前年比+5.8%、21年は+4.2%を予想
2. 実体経済の動向
(労働市場、個人消費)回復基調の持続を予想も、デルタ株感染拡大の影響を見極め
(設備投資)供給制約が懸念も、回復基調が持続
(住宅投資)住宅市場の回復に陰り
(政府支出、債務残高)バイデン政権が目指す成長戦略は経済の上振れ要因
(貿易)海外経済の回復から外需の成長率寄与度はプラス転換へ
3. 物価・金融政策・長期金利の動向
(物価)インフレは当面高水準もピークアウトした可能性
(金融政策)21年12月のテーパリング開始、23年9月の政策金利の引き上げを予想
(長期金利)21年末1.6%、22年末2.0%を予想
(2021年09月09日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1824
経歴
- 【職歴】
1991年 日本生命保険相互会社入社
1999年 NLI International Inc.(米国)
2004年 ニッセイアセットマネジメント株式会社
2008年 公益財団法人 国際金融情報センター
2014年10月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
窪谷 浩のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/09/18 | 米住宅着工・許可件数(25年8月)-着工件数(前月比)は減少に転じたほか、市場予想も下回る | 窪谷 浩 | 経済・金融フラッシュ |
2025/09/09 | 米国経済の見通し-高関税政策にも関わらず米国経済は足元堅調維持。今後は景気減速へ | 窪谷 浩 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/09/08 | 米雇用統計(25年8月)-非農業部門雇用者数が市場予想を下回り、前月に続いて大幅な雇用鈍化を確認 | 窪谷 浩 | 経済・金融フラッシュ |
2025/09/01 | 米個人所得・消費支出(25年7月)-個人所得、消費支出(前月比)ともに前月を上回った一方、市場予想に一致 | 窪谷 浩 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年09月18日
保険適用後の不妊治療をめぐる動向~ARTデータとNDBデータの比較 -
2025年09月18日
不動産投資市場動向(2025年上期)~日本市場の取引額は高水準を維持。グローバル市場は回復基調を辿るも依然低調 -
2025年09月18日
資金循環統計(25年4-6月期)~個人金融資産は2239兆円と過去最高を更新、投信・国債・定期預金への資金流入が目立つ -
2025年09月18日
欧州委員会、Googleに制裁金-オンライン広告サービス市場での支配力濫用 -
2025年09月18日
米住宅着工・許可件数(25年8月)-着工件数(前月比)は減少に転じたほか、市場予想も下回る
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【米国経済の見通し-個人消費主導で堅調な景気回復の持続を予想も、デルタ株感染拡大の影響を注視】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
米国経済の見通し-個人消費主導で堅調な景気回復の持続を予想も、デルタ株感染拡大の影響を注視のレポート Topへ