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- 「三角関数」と「波」の関係-三角関数による「波」の表現と各種の波(電磁波、音波、地震波等)-
コラム
2021年05月18日
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三角関数による「波」の表現
パターンが周期的である(周期性を有する)波動が一般的に取り扱われるが、このような場合、先の正弦曲線や余弦曲線といった三角関数のグラフをベースにして、これらにいくつかの要素を反映させたものを重ね合わせることで表すことができる。
(1) y=a sin bx という関数を考えると、
・aが振幅を決定し、aが大きくなると振幅が大きくなる。
・bが波長を決定し、bが大きくなると波長が短くなる。
(2) y=sin(x±α) という関数を考えると、
・αだけ、x軸に左右にずれていくことになる。
(3) y= sin x ±aという関数を考えると
・a だけ、上下変動することになる。
(4) y= sin x×cos x という関数を考えると、
・振幅と波長が半分の曲線となる。
(5) y= sin x×sin x(=sin2x) という関数を考えると、
・波長は同じで、振幅が半分で正の値のみをとる曲線となる。
(1) y=a sin bx という関数を考えると、
・aが振幅を決定し、aが大きくなると振幅が大きくなる。
・bが波長を決定し、bが大きくなると波長が短くなる。
(2) y=sin(x±α) という関数を考えると、
・αだけ、x軸に左右にずれていくことになる。
(3) y= sin x ±aという関数を考えると
・a だけ、上下変動することになる。
(4) y= sin x×cos x という関数を考えると、
・振幅と波長が半分の曲線となる。
(5) y= sin x×sin x(=sin2x) という関数を考えると、
・波長は同じで、振幅が半分で正の値のみをとる曲線となる。
なお、前回の研究員の眼で紹介したように、三角関数の合成公式を用いると、
y=3sin x+4cos x=5sin (x+α)
ここで、αは、sinα=4/5 cosα=3/5 を満たす角度で、約53°となる。
これは、グラフでは以下のように示される。
y=3sin x+4cos x=5sin (x+α)
ここで、αは、sinα=4/5 cosα=3/5 を満たす角度で、約53°となる。
これは、グラフでは以下のように示される。
このようにいくつかの三角関数を組み合わせることで、複雑な波を表現できることになる。
まとめ
以上、今回は「三角関数」と「波」の関係について、紹介した。
三角関数をグラフで表すと波形となり、いくつかの三角関数を組み合わせることで、複雑な波を形作ることができることがわかったと思う。
それでは、今回簡単に紹介したような電磁波や音波や地震波といった波は、実際にはどのような波形をしていて、それらを本当に三角関数で表現することができるのだろうか。
これについては、例えば、一定の周期を有する「周期関数」については、基本的には(「区分的に滑らかな」という条件を満たす場合には)、どんなに複雑でも、単純な波動の数学的な表現である正弦関数や余弦関数で表現することができる、ことが知られている。さらには、周期関数ではない関数も、(「区分的に滑らかで、かつ連続で、かつ絶対可積分」という条件を満たす場合には)、同様に三角関数で表現することができる。ここで用いられるのが、複雑な波を単純な波へと分解することになる数学的手法である「フーリエ級数展開」であり、「フーリエ変換」と呼ばれるものである。
こうした数学的手法があるからこそ、複雑な電波や光波や音波等を分解等することで、各種の解析を行い、また社会に有効な活用を行うことができることになる。この仕組みの概要については、次回以降の研究員の眼で紹介することしたい。
三角関数をグラフで表すと波形となり、いくつかの三角関数を組み合わせることで、複雑な波を形作ることができることがわかったと思う。
それでは、今回簡単に紹介したような電磁波や音波や地震波といった波は、実際にはどのような波形をしていて、それらを本当に三角関数で表現することができるのだろうか。
これについては、例えば、一定の周期を有する「周期関数」については、基本的には(「区分的に滑らかな」という条件を満たす場合には)、どんなに複雑でも、単純な波動の数学的な表現である正弦関数や余弦関数で表現することができる、ことが知られている。さらには、周期関数ではない関数も、(「区分的に滑らかで、かつ連続で、かつ絶対可積分」という条件を満たす場合には)、同様に三角関数で表現することができる。ここで用いられるのが、複雑な波を単純な波へと分解することになる数学的手法である「フーリエ級数展開」であり、「フーリエ変換」と呼ばれるものである。
こうした数学的手法があるからこそ、複雑な電波や光波や音波等を分解等することで、各種の解析を行い、また社会に有効な活用を行うことができることになる。この仕組みの概要については、次回以降の研究員の眼で紹介することしたい。
(2021年05月18日「研究員の眼」)
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