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- 企業物価指数(2021年4月)―前年比3%台の高めの伸び
1.前年比3%台の高めの伸び
3月から伸びを大幅に高めたが、これは20年4月に新型コロナウイルスの影響で大きく下落していた(前年比▲2.5%、消費増税の影響を除くと同▲3.9%)反動が出たことによる部分が大きい。内訳をみると、原油価格の上昇により、石油・石炭製品は前年比39.3%と、前月(同9.9%)から伸びを大幅に高めた。また、世界的な経済活動の持ち直しに伴い銅の国際価格が高値をつけていることを受けて、非鉄金属は前年比35.2%(3月:同28.8%)と前年比2桁の伸びが続いている。
国内企業物価は前月比では0.7%(3月:同1.0%)と5ヵ月連続の上昇となった。前月比で内訳をみると、これまで高い伸びを続けていたガソリン(前月比▲0.2%)、灯油(同▲0.1%)、軽油(同▲0.3%)などの上昇基調は一服したものの、ナフサ(前月比23.8%)などが高い伸びとなったことを受けて、石油・石炭製品が前月比2.0%(3月:同6.0%)と5ヵ月連続の上昇となった。また、薬価改定による下押し圧力が働いたものの、原料のナフサ高などによる上昇圧力がそれを上回り、化学製品は前月比1.5%(3月:同1.4%)となった。そのほか、既往の原油価格の上昇を受けて電力・都市ガス・水道は同1.5%の上昇となり、非鉄金属(同3.2%)、鉄鋼(同1.5%)などもプラス寄与となった。
2.輸入物価(前月比)は6ヵ月連続のプラス
3.国内企業物価はさらに伸びを高める見込み
また、消費者物価(生鮮食品を除く総合)と関連性の高い消費財は前年比2.6%(3月:同1.4%)と高い伸びとなっている。
日本国内では新型コロナウイルスの新規感染者数拡大で緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の対象地域が増えており、経済活動の落ち込みが懸念されるが、世界ではワクチン普及等により米中を中心に経済活動は正常化に向かっているため、国際商品市況は今後も底堅く推移することが見込まれる。前年に大きく落ち込んだ反動もあり、国内企業物価は5月に前年比4%台の伸びとなる公算が大きく、その後も高めの伸びが継続するだろう。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
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藤原 光汰
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(2021年05月17日「経済・金融フラッシュ」)
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