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- 企業物価指数(2021年3月)―1年1ヵ月ぶりに前年比プラスに転じる
1.1年1ヵ月ぶりに前年比プラスに転じる
世界的な経済活動の持ち直しに伴い銅の国際価格が高値をつけていることを受けて、非鉄金属が前年比28.7%となり、2月の同17.9%から伸び率を大幅に上昇させた。また、原油価格の上昇を受けて、石油・石炭製品が前年比9.8%(2月:同▲6.0%)と1年2ヵ月ぶりのプラスに転じたことなどが国内企業物価の押し上げ要因となった。
国内企業物価は前月比では0.8%(2月:同0.6%)と4ヵ月連続の上昇となり、前月から伸びを高めた。前月比で内訳をみると、ガソリン(2月:前月比3.7%→3月:同5.1%)、灯油(2月:前月比6.8%→3月:同9.7%)、軽油(2月:前月比6.9%→3月:同9.5%)などが前月に続き高めの伸びを維持したことなどから、石油・石炭製品が前月比5.9%(2月:同4.3%)と4ヵ月連続の上昇となった。石油・石炭製品の国内企業物価に対する寄与度は0.36%ptとなり、全体の押し上げ幅の半分程度を占めている。また、ナフサ高などに伴い、化学製品が前月比1.4%となったほか、非鉄金属(同4.5%)、農林水産物(同1.6%)、スクラップ類(同8.1%)、電力・都市ガス・水道(同0.9%)などがプラス寄与となった。
2.輸入物価(前月比)は5ヵ月連続のプラス
3.国内企業物価は先行きも前年比で高めの伸びが継続
また、消費者物価(生鮮食品を除く総合)と関連性の高い消費財は前年比0.9%(2月:同▲0.7%)と約2年ぶりにプラスに転じた。
世界の一部地域ではロックダウンが断続的に実施されているほか、日本でも一部の地域にまん延防止等重点措置が適用されるなど、新型コロナウイルス感染症による先行きの不透明感は強いが、世界的に経済活動は持ち直しており、原油・銅などの国際商品市況は高止まりしている。前年に大きく落ち込んだ反動もあり、国内企業物価は4月以降、前年比3%前後の高い伸びとなるだろう。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
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藤原 光汰
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(2021年04月12日「経済・金融フラッシュ」)
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