2021年03月11日

企業物価指数(2021年2月)―川上から川下への価格転嫁が進む

経済研究部 研究員   藤原 光汰

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1.原油・銅価格の上昇が国内企業物価を押し上げ

3月11日に日本銀行から発表された企業物価指数によると、21年2月の国内企業物価は前年比▲0.7%(1月:同▲1.5%)と12ヵ月連続のマイナスとなったが、マイナス幅は前月から縮小した。事前の市場予想(QUICK集計:前年比▲0.7%、当社予想は同▲0.6%)通りの結果となった。

世界的な経済活動の持ち直しに伴い銅の国際価格が高値をつけていることを受けて、非鉄金属が前年比18.0%となり、1月(同12.9%)に引き続き前年比二桁の大幅上昇となったほか、原油価格の上昇を受けて、石油・石炭製品のマイナス幅が縮小(1月:前年比▲14.4%→2月:同▲6.3%)したことなどにより、国内企業物価の下落幅は前月よりも大きく縮小した。

国内企業物価は前月比では0.4%(1月:同0.5%)と3ヵ月連続で上昇した。前月比で内訳をみると、ガソリン(1月:前月比2.7%→2月:同3.6%)、灯油(1月:前月比5.2%→2月:同6.7%)、軽油(1月:前月比5.7%→2月:同6.6%)などが前月に続き高めの伸びを維持したことなどから、石油・石炭製品が前月比4.3%(1月:同4.7%)と3ヵ月連続の上昇となった。石油・石炭製品の国内企業物価に対する寄与度は0.25%ptとなり、全体の押し上げ幅の半分程度を占めている。また、ナフサ高などに伴い、化学製品が前月比1.2%となったほか、非鉄金属(同3.0%)、鉄鋼(同1.0%)などがプラス寄与となった。また、電力・都市ガス・水道が前月比0.1%と7ヵ月ぶりにプラスに転じた。
国内企業物価指数(前年比・前月比)の推移/国内企業物価指数の前年比寄与度分解

2.輸入物価(前月比)は4ヵ月連続のプラス

21年2月の輸入物価は、契約通貨ベースでは前月比3.3%(1月:同3.5%)と4ヵ月連続のプラスとなった。一方、21年2月の円相場は前月比1.6%の円安となったことから、円ベースでは前月比4.1%(1月:同3.3%)と契約通貨ベースを上回る高い伸びとなった。
輸入物価指数変化率の要因分解(契約通貨ベース) 契約通貨ベースで輸入物価の内訳をみると、原油(前月比11.1%)、ナフサ(同16.8%)、液化天然ガス(同6.0%)などが高い伸びとなったことなどを受けて、石油・石炭・天然ガスが前月比9.1%(1月:同13.1%)と4ヵ月連続で上昇した。また、生産活動の回復を反映し、金属・同製品が前月比5.4%と高めの伸びとなったほか、飲食料品・食料用農水産物(同1.3%)や電気・電子機器(同0.2%)などが前月から上昇した。

3.川上から川下への価格転嫁が進む

需要段階別指数の推移 21年2月の需要段階別指数(国内品+輸入品)をみると、素原材料が前年比▲4.8%(1月:同▲10.9%)、中間財が前年比▲1.1%(1月:同▲2.4%)、最終財が前年比▲0.8%(1月:同▲1.5%)となった。素原材料のマイナス幅が大きく縮小する中、中間財、最終財のマイナス幅も縮小しており、川上から川下への価格転嫁が進んでいることがわかる結果となった。中間財が前年比▲1%台、最終財が前年比▲0%台までマイナス幅を縮小させたのはともに1年ぶりである。

また、消費者物価(生鮮食品を除く総合)と関連性の高い消費財は前年比▲0.8%(1月:同▲1.7%)と22ヵ月連続のマイナスとなったものの、下落幅は前月から大きく縮小した。

新型コロナウイルス感染症の影響により先行きの不透明感は強いものの、内外経済の持ち直しを受けて、原油・銅などの国際商品市況は堅調な推移が続いている。国内企業物価は20年5月を底として、前月比で緩やかな上昇基調が続いているが、21年3月には13ヵ月ぶりに前年比プラスに転じる公算が大きい。
 
 

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経済研究部   研究員

藤原 光汰 (ふじわら こうた)

研究・専門分野
日本経済

(2021年03月11日「経済・金融フラッシュ」)

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