2021年02月10日

企業物価指数(2021年1月)―前年比マイナス幅の縮小傾向が続く

経済研究部 研究員   藤原 光汰

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1.原油価格の上昇などにより国内企業物価のマイナス幅が縮小

2月10日に日本銀行から発表された企業物価指数によると、21年1月の国内企業物価は前年比▲1.6%(20年12月:同▲2.0%)と11ヵ月連続のマイナスとなったが、マイナス幅は前月から縮小した。事前の市場予想(QUICK集計:前年比▲1.6%、当社予想は同▲1.7%)通りの結果となった。また、消費税を除いたベースでは12ヵ月連続のマイナスとなった。

内外の経済活動の持ち直しに伴い、非鉄金属が前年比12.6%(20年12月:前年比10.2%)と前月から伸びを高めたほか、原油価格の上昇を受けて、石油・石炭製品のマイナス幅が縮小(20年12月:前月比▲16.3%→21年1月:前月比▲14.7%)したことなどにより、国内企業物価の下落幅は前月よりも縮小した。

国内企業物価は前月比では0.4%(20年12月:同0.5%)と2ヵ月連続で上昇した。前月比で内訳をみると、ガソリン(20年12月:前月比4.3%→21年1月:前月比2.6%)、灯油(20年12月:前月比9.6%→21年1月:前月比5.0%)、軽油(20年12月:前月比8.9%→21年1月:前月比5.3%)などが前月に続き高めの伸びを維持したことにより、石油・石炭製品が前月比4.3%(20年12月:同4.9%)と2ヵ月連続の上昇となった。石油・石炭製品の国内企業物価に対する寄与度は0.24%ptとなり、全体の押し上げ幅の半分程度を占めている。また、化学製品(前月比1.3%)や非鉄金属(同3.0%)、鉄鋼(同0.9%)などがプラスとなった。

一方、既往の原油安を受けて、電力・都市ガス・水道は前月比▲0.6%(20年12月:同▲1.8%)と6ヵ月連続のマイナスとなったほか、牛肉や鶏卵などの下落により農林水産物が前月比▲3.3%(20年12月:同1.3%)と4ヵ月ぶりのマイナスに転じた。
国内企業物価指数(前年比・前月比)の推移/国内企業物価指数の前年比寄与度分解

2.輸入物価(前月比)は3ヵ月連続のプラス

21年1月の輸入物価は、契約通貨ベースでは前月比2.3%(20年12月:同2.4%)と3ヵ月連続のプラスとなった。一方、21年1月の円相場は前月比▲0.1%とほぼ横ばいとなったことから、円ベースでは前月比2.3%(20年12月:同2.1%)と契約通貨ベースと同等の伸びとなった。
輸入物価指数変化率の要因分解(契約通貨ベース) 契約通貨ベースで輸入物価の内訳をみると、原油が前月比13.8%と前月(同7.3%)から伸びを高めたほか、液化天然ガスが前月比2.0%と4ヵ月連続でプラスとなったことなどを受けて、石油・石炭・天然ガスが前月比8.7%(20年12月:同7.1%)と3ヵ月連続で上昇した。そのほか、金属・同製品(前月比3.2%)や化学製品(同2.0%)などもプラスとなった一方、電気・電子機器は前月比▲1.6%(20年12月:同0.2%)と2ヵ月ぶりのマイナスに転じた。

3.国内企業物価のマイナス幅は縮小へ

需要段階別指数の推移 21年1月の需要段階別指数(国内品+輸入品)をみると、素原材料が前年比▲12.7%(20年12月:同▲15.5%)、中間財が前年比▲2.5%(20年12月:同▲3.2%)、最終財が前年比▲1.4%(20年12月:同▲1.4%)となった。最終財の下落幅は前月から変わらなかったが、素原材料、中間財は下落幅が縮小しており、経済活動の持ち直しを受けた素原材料の下落幅縮小が川下の価格にも波及しているとみられる。

また、消費者物価(生鮮食品を除く総合)と関連性の高い消費財は前年比▲1.6%(20年12月:同▲1.6%)と21ヵ月連続のマイナスとなった。

新型コロナウイルス感染症の影響により先行きの不透明感は強いものの、内外経済の持ち直しを受けて国際商品市況は堅調に推移している。また、足元では米国の追加経済対策による景気回復への期待感から、原油価格は上昇を続けている。そのため、前年比で国内企業物価のマイナス幅は縮小傾向が継続するとみられ、20年度末にはプラスに転じることが見込まれる。
 
 

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経済研究部   研究員

藤原 光汰 (ふじわら こうた)

研究・専門分野
日本経済

(2021年02月10日「経済・金融フラッシュ」)

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