2021年01月18日

「ニッポンの結婚適齢期」男女の年齢・徹底解剖(5)―2018年婚姻届全件分析(再婚女性&総括編)―

生活研究部 人口動態シニアリサーチャー   天野 馨南子

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はじめに

本レポートは2018年の婚姻届全件を集計した人口動態調査の結果をもとに、男女別、初婚再婚別に結婚適齢期はあるのか、そしてそれぞれに差異があるのか、について分析をおこなった結果を詳説するレポートの第5弾、最終回である。最終回では再婚女性について、相手の初婚再婚別に成婚発生年齢を確認し、何が言えるのかについて確認してみたい。
 
これまでの4回のレポートについては、大きな反響をいただいた。

特に、統計的に示される結婚ピーク年齢と、多くの人々が平均初婚年齢を根拠に思い描く結婚適齢期との間には看過しがたい差があり、社会における「過大な晩婚化イメージ」が浮き彫りになったことについては、筆者にとっても重要な発見であった。

第3弾で初婚女性の成婚年齢について詳説したが、一般に晩婚化の象徴として知られている「平均初婚年齢」の上昇は、結婚ピーク年齢の上昇というよりも、高齢化によってこれまで成婚が発生していなかったような高年齢層での婚姻によって引き上げられていた。1件1件は統計的には極めて少ない発生頻度での高年齢者の成婚が、60代以降の男女でも各歳において発生しており、これによって平均結婚年齢が実際の結婚最頻値年齢よりも3歳以上押し上げられ、あたかも結婚適齢期が30歳近くまで大きく上昇したかのような錯覚を人々にもたらしていることを解説した。
 
初婚同士の成婚において、初婚男性の成婚ピークは27歳、初婚女性の成婚ピークは26歳であり、成婚発生時期がそのピーク年齢を挟んだ前後の極めて短期に集中している、という結果は、分析を行った当事者である筆者にとっても衝撃的なデータであった。
 
レポートの第4弾の最後においては、初婚男女の成婚の年齢別発生件数の棒グラフが描き出す成婚ピーク年齢を頂点とした「鋭角の山」が動く可能性はあるのか、についても解説した。初婚の男女では、ピーク年齢後に成婚件数が急激に減少していく理由が異なることについて、同じ年齢における未婚者割合(ならびに数)の男女の違い(男性の方が圧倒的に多い)や、成婚に向けた活動傾向の男女差から解説した。
 
最終回の第5弾では、再婚女性の結婚年齢の分析結果を解説するとともに、第1回から第5回までの全組み合わせの結婚適齢期のまとめを最後に掲載することとしたい。

今回もデータソースには、厚生労働省「人口動態調査」に掲載されている、2018年における婚姻届の集計結果を用いているため、ニッポンの結婚、についての全数分析1の結果である。
 
1 全数分析=単純にその年に役所に提出された届のすべてではない。ある条件の下で、集計対象となる届についての分析であるが、提出件数すべてと勘違いしてしまう読者もいるようなので、注意喚起しておきたい。
 

1――相手の婚歴は初婚:再婚=4:6

1――相手の婚歴は初婚:再婚=4:6

2018年に役所に婚姻届を提出し、結婚生活を開始した2全女性45万6148人のうち再婚女性は7万3325人で全体の16.1%、成婚女性の6人に1人程度となっている。

そのうち初婚男性との婚姻は3万1312件で43%、再婚男性との婚姻は4万2004件で57%である(図表1)。
 
再婚女性の成婚相手の婚歴状況と比べると、再婚男性は相手の初婚・再婚の割合が、51%・49%(ほぼ5:5)となっている3ことから、女性の方が再婚の場合でも相手の婚歴に関してこだわりが薄い、もしくは男性の方が女性よりも初婚相手を好む傾向があることが示されている4
 
第4弾で解説したように、あくまでも初婚相手がよいといったこだわりを持ってしまうと、成婚ピーク年齢を過ぎた後のパートナー探しはより困難なものとなっていく5、ということを再度注意喚起しておきたい。
【図表1】再婚女性の結婚相手の婚歴(%)
 
2 国のデータにおいて各歳集計の対象となる婚姻件数は、単に入籍するだけでなく、同年内に生活を共にする、もしくは挙式を行っている、という生活実態も伴っているであろうと思われる成婚のみとなる。ただし、実態を伴ってはいるものの年度をまたいで入籍、挙式の順となったケースなどは欠落する。ただ、全体の規模から考えて適齢期分析に影響する条件とまではいえない。
3 シリーズ第2弾参照
4 ちなみに初婚男性の相手の婚歴は初婚:再婚=92%:8%、初婚女性の相手の婚歴は初婚:再婚89%:11%であり、初婚再婚どちらのケースでも、男性は女性よりも初婚相手を好む傾向がみられる。
5 年齢上昇とともに既婚・離別・死別割合が高まるため、相手の初婚ステータスにこだわったまま自らの年齢が上昇することは、より成婚相手探しを困難にする。これは男性がいくつになっても20代の女性を好む(未婚者が多い)という傾向/ニッセイ基礎研究所・エウレカ共同調査「日本の未婚化要因分析のためのアンケート調査」(2020年8月)とリンクしているともいえるかもしれない。
 

2――再婚女性の初婚男性との成婚ピーク年齢は33歳

2――再婚女性の初婚男性との成婚ピーク年齢は33歳

まずは再婚女性の婚姻の4割を占める初婚男性との成婚年齢をみてみたい(図表2)。
 
最も件数が多い最頻値は33歳の1820件であるので、再婚女性の初婚男性との成婚ピークは33歳である。初婚女性のピーク年齢の26歳と比べると7歳上昇している。

また、対象となる婚姻届の5割に到達する年齢は34歳過ぎとなっており、婚姻届の過半数に到達する年齢を適齢期年齢とするならば、再婚女性の初婚男性との結婚適齢期は34歳過ぎ、と言うことができる。

初婚女性と比べると、件数の棒グラフがなだらかな山の形をしており、7割到達年齢が39歳、8割が42歳、9割が47歳という結果となっている。
【図表2】再婚女性の結婚年齢/相手が初婚(件)
ここで、初婚の女性が初婚男性と成婚する年齢と比べてみたい。

初婚女性の婚姻届が5割に到達する年齢は27歳である6が、同じ27歳時に再婚女性の初婚男性との成婚数が年間1000件を超え始める(図表2)。そして初婚女性の初婚男性との成婚が8割に到達する年齢が32歳であり、再婚女性の成婚ピーク33歳となっている、という関係性がみえてくる。

初婚女性の約8割が32歳までにほぼ初婚男性との結婚をし終えていることから、それ以前(初婚女性の適齢期あたり)から、初婚女性の離婚件数が蓄積し、30代前半になると、これらの比較的若くして離婚した女性が初婚男性との再婚をし始める、といった状況がデータからは推測できる。
 
初婚女性と再婚女性の「初婚男性」との成婚年齢データの比較からは、初婚女性は33歳以降になると、主に20代で離婚した女性が再婚にむけて市場に参入し、これが初婚男性との成婚を従来以上に難しくする要因の1つではないかと考えられる7
 
6 「ニッポンの結婚適齢期」シリーズ第2弾 初婚女性その1を参照。
7 結婚支援の現場からは、婚歴のある男女はITマッチングにおいては条件検索ではじかれ易いことから不利な傾向にあるものの、異性とのコミニューケーションにおいては婚歴のある男女の方が長けている傾向が強いことから、結婚支援イベントなど対面においては、初婚相手へのPR力が初婚男女よりも強い傾向がある、という報告があがっている。
 

3――再婚男性との成婚ピーク年齢は38歳

3――再婚男性との成婚ピーク年齢は38歳

次に再婚女性の婚姻の6割を占める再婚男性との成婚年齢を確認したい(図表3)。

再婚男性との成婚ピーク(最頻値)年齢は、38歳の1582件である。婚姻届の過半数に到達する年齢が41歳、7割が48歳、8割が52歳であるので、ピーク年齢から急激に成婚数が落ちるというよりも、50歳あたりまでは緩やかに減少する、という成婚状況となっている。再婚女性が再婚男性との成婚を目指すケースでは、初婚男性との成婚に比べて8割到達年齢で10年の差(52歳-42歳)があり、かなり長い期間のモラトリアムがある、ということが示されている。
 
また、相手の男性の婚歴別の成婚年齢を比較したグラフを見ると、再婚女性が初婚男性と成婚するケースは、女性の年齢が30代前半を中心とした比較的鋭角な山となる一方、再婚男性と成婚するケースは30代前半から50代前半にかけて緩やかに下がる台形のような形となっている(図表4)。
【図表3】再婚女性の再婚男性との結婚年齢(件)
【図表4】再婚女性の結婚年齢(夫初婚と夫再婚、件)
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生活研究部   人口動態シニアリサーチャー

天野 馨南子 (あまの かなこ)

研究・専門分野
人口動態に関する諸問題-(特に)少子化対策・東京一極集中・女性活躍推進

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