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「年の差婚」の希望と現実-未婚化・少子化社会データ検証-データが示す「年の差」希望の叶い方

生活研究部 人口動態シニアリサーチャー 天野 馨南子

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はじめに
一方、結婚相談所から「登録している男性がいくつであっても、若い女性を希望してきます。」というのもこれまたよく耳にする。総合してみると、男性は、ある程度年をとってからの年下女性との年の差婚をライフデザインに描いている人も少なくない、ということだろうか。
そこで本稿では、国の大規模データを分析することによって日本における結婚相手との年齢差ついての男女の希望状況、ならびに最新の結婚したカップルの年齢差についての実態を明らかにすることとした。
結婚相手への年齢差の希望は実際にはどのような状況であり、またどのような結果となって叶っているのか、果たして希望と実態の間に乖離はあるのだろうかを俯瞰する。
筆者にとっては、少々驚きの現実が現れたのでご紹介してみたい。
未婚男女にとってどの程度の年齢差がターゲットなのか
2015年に行われた国の大規模調査結果のデータ1(図表1:18歳から34歳までの未婚男女を対象)では、5-6歳年下の女性を結婚相手に希望する18歳から34歳までの未婚男性は14.5%、7歳以上年下希望は8.5%で、23%の未婚男性が5歳以上年下の女性を希望している。5人に1人以上は年の離れた自分より若い女性を希望しているということである。
ただし、同じ年齢から2歳年下までのほぼ同じ年齢女性との結婚を希望している男性が最も多く、約6割に達している。年上女性を希望している男性が最も少なく、6.7%となっている。
次に、いくら男性側が年下女性との年の差婚を希望のライフデザインとして持ったとしても、女性側が年上男性との結婚をライフデザインとして持っていなければ叶う可能性は限りなく低くなるので、女性側の年齢差希望を見てみたい。
未婚女性からは1-2歳年上の男性が最も支持されており、約3割の女性が結婚相手として希望していることがわかる。僅差でおなじ年齢の男性が希望されており、約6割の女性がおなじ年齢から2歳年上の男性までを希望している。このことから男女ともほぼ同じ割合の6割程度の男女がほぼおなじ年齢の相手との結婚を希望している(希望割合がマッチングしている)ことがわかる。
一方で、未婚女性の約8割が自分と同じ歳から4歳上までの男性を結婚相手として希望しているが、同じ年齢から4歳年下までの女性を希望している男性は約7割であり、未婚男性の5-6歳年下、7歳以上年下女性の希望割合が女性の希望よりも高い。つまり、男性のほうがより若い女性を希望していることによる希望のミスマッチがある、ということもみてとれる。
ちなみに、この国のデータは18歳から34歳までの未婚女性を調査対象としているため、35歳以上を結婚相手として考える場合は、上記の指摘の例外であることを付記しておきたい。
(2017年02月20日「研究員の眼」)

03-3512-1878
- プロフィール
1995年:日本生命保険相互会社 入社
1999年:株式会社ニッセイ基礎研究所 出向
・【総務省統計局】「令和7年国勢調査有識者会議」構成員(2021年~)
・【こども家庭庁】内閣府特命担当大臣主宰「若い世代の描くライフデザインや出会いを考えるワーキンググループ」構成員(2024年度)
・【こども家庭庁】令和5年度「地域少子化対策に関する調査事業」委員会委員(2023年度)
※都道府県委員職は年度最新順
・【富山県】富山県「県政エグゼクティブアドバイザー」(2023年~)
・【富山県】富山県「富山県子育て支援・少子化対策県民会議 委員」(2022年~)
・【高知県】高知県「元気な未来創造戦略推進委員会 委員」(2024年度~)
・【高知県】高知県「中山間地域再興ビジョン検討委員会 委員」(2023年度)
・【三重県】三重県「人口減少対策有識者会議 有識者委員」(2023年度~)
・【石川県】石川県「少子化対策アドバイザー」(2023年度)
・【東京商工会議所】東京における少子化対策専門委員会 学識者委員(2023年~)
・【愛媛県法人会連合会】えひめ結婚支援センターアドバイザー委員(2016年度~)
・【公益財団法人東北活性化研究センター】「人口の社会減と女性の定着」に関する情報発信/普及啓発検討委員会 委員長(2021年~)
・【主催研究会】地方女性活性化研究会(2020年~)
・【内閣府特命担当大臣(少子化対策)主宰】「少子化社会対策大綱の推進に関する検討会」構成員(2021年~2022年)
・【内閣府男女共同参画局】「人生100年時代の結婚と家族に関する研究会」構成員(2021年~2022年)
・【内閣府委託事業】「令和3年度結婚支援ボランティア等育成モデルプログラム開発調査 企画委員会 委員」(内閣府委託事業)(2021年~2022年)
・【内閣府】「地域少子化対策重点推進交付金」事業選定審査員(2017年~)
・【内閣府】地域少子化対策強化事業の調査研究・効果検証と優良事例調査 企画・分析会議委員(2016年~2017年)
・【内閣府特命担当大臣主宰】「結婚の希望を叶える環境整備に向けた企業・団体等の取組に関する検討会」構成メンバー(2016年)
・【富山県】富山県成長戦略会議真の幸せ(ウェルビーイング)戦略プロジェクトチーム 少子化対策・子育て支援専門部会委員(2022年~)
・【長野県】伊那市新産業技術推進協議会委員/分野:全般(2020年~2021年)
・【佐賀県健康福祉部男女参画・こども局こども未来課】子育てし大県“さが”データ活用アドバイザー(2021年~)
・【愛媛県松山市「まつやま人口減少対策推進会議」専門部会】結婚支援ビッグデータ・オープンデータ活用研究会メンバー(2017年度~2018年度)
・【中外製薬株式会社】ヒト由来試料を用いた研究に関する倫理委員会 委員(2020年~)
・【公益財団法人東北活性化研究センター】「人口の社会減と女性の定着」に関する意識調査/検討委員会 委員長(2020年~2021年)
日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
日本労務学会 会員
日本性差医学・医療学会 会員
日本保険学会 会員
性差医療情報ネットワーク 会員
JADPメンタル心理カウンセラー
JADP上級心理カウンセラー
天野 馨南子のレポート
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