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株高で大きく売られた国内株式ファンド~2020年11月の投信動向~
金融研究部 准主任研究員 前山 裕亮
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ファンド全体で資金流出に転じる
国内株式は中旬以降、様子見の投資家も
国内株式の資金動向を日次で詳しくみると、11月は特に上旬に資金流出が膨らんでいたことが分かる【図表3】。1日あたりの流出金額はインデックス・ファンド(黄棒)で9日の310億円、アクティブ・ファンド(青棒)で11日の220億円が最大であった。中旬以降もインデックス・ファンド、アクティブ・ファンドともに資金流出が続いたものの、流出金額は鈍化基調であった。日経平均株価が2万6,000円にのった翌営業日の25日でもインデックス・ファンド、アクティブ・ファンドともに流出金額は最大となった9日、11日の半分以下であった。さらに、インデックス・ファンドでは日経平均株価が2万5,500円まで下落した翌営業日の24日には、金額は小さいが資金流入に転じていた。
ちなみにアクティブ・ファンドでも26日に資金流入に転じているが、これは新設ファンド(【図表2】青太字)の影響であり、既設ファンドに限ると資金流出が続いていた。
確認してきた国内株式の日次の資金動向からは、日経平均株価で2万4,000円から2万5,000円あたりを上値として意識していた投資家が多かったことがうかがえる。ただ、その一方で中旬以降は新型コロナウイルスのワクチンの実用化に伴う経済活動の早期正常化期待が膨らんだこともあり、株価は上昇し続けたため、売却を控える投資家が増えたようである。特にインデックス・ファンドには、ワクチンに対する期待感からなのか少しでも下がったら投資しようとタイミングをうかがっている投資家もいたようである。
バランス型に加えラップ口座からも資金流出?
また、バランス型(緑棒)も11月は850億円の資金流出に転じた【図表4】。一部のバランス型ファンド(【図表2】緑太字)には引き続き資金流入があったが、バランス型全体でみると資金流出に転じた。また、11月はラップ口座からも資金流出が大きかった模様である。ラップ口座で用いられているSMA専用ファンド(橙棒)の資金動向をみると、11月は600億円の資金流出があった【図表4】。SMA専用ファンドからは5月以降、資金流出が続いているが、特に11月は大きかった。
11月はバランス型ファンドやラップ口座のパフォーマンスも概ね好調であったため、国内株式と同様にバランス型ファンドやラップ口座でも利益確定の売却が膨らんだと思われる。バランス型ファンドやラップ口座を保有している投資家の中には、3月の急落時から戻り待ちをしている投資家が多いことが背景にあるかもしれない。
これまで厳しいパフォーマンスだった株式ファンドの一部が大きく上昇
(ご注意)当資料のデータは信頼ある情報源から入手、加工したものですが、その正確性と完全性を保証するものではありません。当資料の内容について、将来見解を変更することもあります。当資料は情報提供が目的であり、投資信託の勧誘するものではありません。
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03-3512-1785
(2020年12月07日「研究員の眼」)
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