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- ユーロ圏失業率(2020年7月)-悪化が続くものの、7%台にとどまる
2020年09月02日
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1.結果の概要:7%台にとどまる
1 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。
2.結果の詳細:非労働力人口となっていた人が失業者として顕在化しつつある
今回の失業率は市場予想を0.1%ポイント下回り7.9%となった。6月対比では悪化したが、6月の失業率(改定値)が0.1%ポイント改善(6月改定前7.8%→今回7.7%)されたこともあり、7%台にとどまっている。なお、5月分の改定値も7.5%となり改定前(7.7%)と比べ改善されている。
若年者(25才以下)の失業率は、7月17.3%、6月17.2%(改定前17.0%)、5月:16.7%(改定前:16.5%)と推移しており、高水準にあるものの悪化ペースは鈍化している(前掲図表2)。
国別の失業率を見ると(図表4)、6月はドイツ・フランス・イタリアといった大国を中心に10か国で失業率悪化、オーストリアなど5か国で失業率改善となった。若年層(図表5)は7月のデータが開示されている国が少ないが、7か国で失業率悪化、6か国で失業率改善が見られるなど、国によってばらつきがあるものの、イタリアが30%を超えた(6月29.6→7月31.1%)ほか、スペイン(5月38.9→6月41.6→7月41.7%)やポルトガル(21.4→27.4→26.3%)が高い水準を維持しており、雇用環境は悪化が続いていると評価できるだろう。
国別の失業率を見ると(図表4)、6月はドイツ・フランス・イタリアといった大国を中心に10か国で失業率悪化、オーストリアなど5か国で失業率改善となった。若年層(図表5)は7月のデータが開示されている国が少ないが、7か国で失業率悪化、6か国で失業率改善が見られるなど、国によってばらつきがあるものの、イタリアが30%を超えた(6月29.6→7月31.1%)ほか、スペイン(5月38.9→6月41.6→7月41.7%)やポルトガル(21.4→27.4→26.3%)が高い水準を維持しており、雇用環境は悪化が続いていると評価できるだろう。
月次データを公表しているイタリアとポルトガルを見ると、労働参加率が上昇しており、非労働力人口となっており失業者としてカウントされてなかった人が労働市場に戻ってきており、失業率悪化として顕在化するという傾向が続いていることが分かる(図表6・7)。
イタリアでは労働参加率が4月の62.3%から7月には64.2%まで上昇する一方で失業率が7.3%(4月)から9.7%(7月)まで悪化した。同じく、ポルトガルでは労働参加率は5月の63.6%から7月には65.3%まで上昇し、失業率は5.9%(5月)から8.1%(7月)まで悪化した。一方で、足もとまでの労働参加率の上昇幅は、コロナショック後の下落幅と比較して限定的であり、今後さらに、失業率の悪化として顕在化してくることが見込まれる。
イタリアでは労働参加率が4月の62.3%から7月には64.2%まで上昇する一方で失業率が7.3%(4月)から9.7%(7月)まで悪化した。同じく、ポルトガルでは労働参加率は5月の63.6%から7月には65.3%まで上昇し、失業率は5.9%(5月)から8.1%(7月)まで悪化した。一方で、足もとまでの労働参加率の上昇幅は、コロナショック後の下落幅と比較して限定的であり、今後さらに、失業率の悪化として顕在化してくることが見込まれる。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2020年09月02日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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