2020年07月31日

ユーロ圏失業率(2020年6月)-7%台後半まで上昇

経済研究部 准主任研究員   高山 武士

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1.結果の概要:一気に7%台後半へ

7月30日、欧州委員会統計局(Eurostat)はユーロ圏の失業率を公表し、結果は以下の通りとなった。
 

【ユーロ圏19か国失業率(2020年6月、季節調整値)】
失業率は7.8%、市場予想1(7.7%)より上振れ、前月(7.7%)から微増した(図表1)
失業者は1268.5万人となり、前月(1248.2万人)から20.3万人増加した

(図表1)失業率と国別失業者数/(図表2)若年失業率と国別若年失業者数
 
1 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。

2.結果の詳細:7%台後半まで上昇したもののペースは鈍化

今回の失業率は市場予想を0.1%ポイント上回る7.8%となった。5月までの失業率が悪化方向0.3%ポイントに改定(5月改定前7.4%→今回7.7%)されたことに加えて、6月はさらに微増したことで、7%台後半まで上昇する形になった。なお、4月分も7.5%(改定前:7.3%)と0.2%ポイント改定された。
(図表3)ユーロ圏(19か国)の失業率 失業者数の変化は6月20.3万人増となった。5月28.2万人増(改定前:15.9万人増)、4月34.7万人増(改定前:26.8万人増、前々回:21.1万人増)合わせると3か月合計で83.2万人となった。失業者数も最新の統計が公表されるごとに悪化方向に改定されているが、世界金融危機時(2008年9月以降)と比較すると、当時の失業者数の増加(3か月合計で103.7万人)よりも少ない。また、悪化ペースが鈍化方向にあることも当時とは異なる特徴と言える(図表3)。
若年者(25才以下)の失業率は、6月17.0%、5月:16.5%(改定前:16.0%)、4月:16.2%(改定前:15.7%)となり、悪化ペースの鈍化は見られない(前掲図表2)。

国別の失業率を見ると(図表4)、6月は10か国で失業率悪化、フランスなど6か国で失業率改善となった。若年層(図表5)では6か国で失業率悪化、4か国で失業率改善が見られるなど、国によってばらつきがある。ただし、特に若年層でポルトガルが大きく悪化(5月21.4→6月25.6%)したことに加えて、イタリア(25.6→27.6%)やスペイン(39.1→40.1%)でも大幅に悪化しており、雇用環境の悪さがうかがえる。
(図表4)ユーロ圏の失業率(国別)/(図表5)ユーロ圏の若年失業率(国別)
月次データを公表しているイタリアとポルトガルの労働参加率を見ると(図表6・7)、急増していた非労働力人口に歯止めがかかったために低下が止まった。求職をあきらめて非労働力人口としてカウントされていた人の一部が職探しを開始し、失業者として顕在化しはじめてきた兆しがある。ただし、労働参加率は過去と比較すると依然として低水準にとどまっていることから、今後も失業率悪化として顕在化していくリスクは大きいと言える。
(図表6)イタリアの失業者・非労働力人口・労働参加率/(図表7)ポルトガルの失業者・非労働力人口・労働参加率
 
 

(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
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経済研究部   准主任研究員

高山 武士 (たかやま たけし)

研究・専門分野
欧州経済、国際経済

(2020年07月31日「経済・金融フラッシュ」)

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