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ディズニー再開初日に感じたエンタメ業界の今後‐ウィズ・コロナのエンタメ界と我々にできること‐
生活研究部 研究員 廣瀬 涼
はじめに
-日本遊園地協会による運営のための3つのガイドライン-
(1) 来場者と従業員を含む、遊園地・テーマパークに関わる全ての人の健康管理に留意する事
(2) 衛生的な施設・設備を提供できるように清掃・消毒を強化実施する事
(3) 身体的距離と十分に換気された空気環境を確保するように運営する事
の3点が基本原則として示されている。身体的距離とはいわゆるソーシャルディスタンスのことで、他の来園者との距離を1m(2m以上が望ましい)とることを指している。国内最大のテーマパークであるディズニーリゾートは、どのようにコロナと向き合っていくのだろうか。
‐アトラクションとショー‐
アトラクションやシアターショーにおいては、キュー(待機列)に1m以上の間隔をとるための目張りがされている。乗り物自体も一席ずつ間隔をあけて乗車させたり、シアターにおいては一列分席を閉鎖することで「密」を避ける対応をしている。乗り物が狭く、換気がしにくいアトラクションによっては(例えば東京ディズニーシーの海底2万マイル)、稼動を休止しているものもある。乗り物の手すりやセーフティーバーは、定期的に拭き上げることで消毒している。
‐レストラン‐
テーマパークにおいて来園者はマスクをすることを要請されているが、食べるときは外す必要がある。レストランによっては、唾液の飛散防止やマスクを衛生に保つために、簡易なマスク入れをゲストに提供している。
‐ゲストを衛生に保つためのコントロール‐
グッズの陳列にも配慮しており、従来Tシャツは種類ごとに積み上げられていたが、サイズを探すためにむやみにゲストが触らぬように、サイズごとに分けて陳列されている。また、ディズニーではイベントごとに限定のグッズが販売される。グッズによっては買うために何時間も並ぶ必要があったり、店内を行き来できないほど混雑したりした。こういった「密」になる要素を避けるために、グッズの一部はオンラインで販売されるようになった。
マスクにおいても、テーマパークという非日常を演出するようなキャラクターをあしらったデザインのマスクが販売されている一方で、全てのゲストにマスクを着用することを求めるために100円で購入が可能なマスクも用意している。
‐世界のディズニーリゾート‐
一方、本国アメリカにあるフロリダ州のウォルト・ディズニー・ワールドでは7月11日からの段階的な再開計画に対し、延期を求める従業員ら約7000人の署名が集まっている。また、カリフォルニア州のディズニーランドリゾートでは、開園記念日にあたる7月17日に予定された営業再開を無期限での延期を決定している1。
‐ウィズ・コロナのエンタメ界と我々にできること‐
今後7月13日にはサンリオピューロランドのプレオープンも控えているなど、少しずつテーマパーク業界に明るい兆しが見えてきている。もう二度とエンターテインメントや娯楽を嗜好できない日々には戻りたくはない。日常通りとは言わないが、ウィズ・コロナとしてコロナと向き合っていくためにも、消費者である我々は、復興の兆しのある「今」に感謝し、エンターテインメントが継続できるように運営側のオペレーションに従う、熱があるのに無理しない等、自分たちが「今」できること(Do the next right thing)をするべきであると感じた1日であった。
(2020年07月02日「研究員の眼」)
03-3512-1776
- 【経歴】
2019年 大学院博士課程を経て、
ニッセイ基礎研究所入社
・令和6年度 東京都生活文化スポーツ局都民安全推進部若年支援課広報関連審査委員
【加入団体等】
・経済社会学会
・コンテンツ文化史学会
・余暇ツーリズム学会
・コンテンツ教育学会
・総合観光学会
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