- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 経済予測・経済見通し >
- 新型コロナウィルス拡大で景気は後退-2020~21年欧州経済見通し
2020年03月11日
■要旨
- 欧州圏内では新型コロナウィルス感染者数が急増しており、イタリアは3月9日に全土の封鎖措置を決めた。イタリアの深い景気後退は避けられず、財政の中期目標(MTO)からの逸脱は避けられない見通しとなった。
- イタリア以外の国でも感染封じ込め策と同時に雇用助成金や休業補償、企業の資金繰り支援など経済雇用対策を強化する動きが広がっている。ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)は16日に定例会合を予定するが、コロナ危機の経済活動への影響と、財政面での対応が主題とならざるを得ないだろう。
- 現時点では、中国発の影響もイタリアの封鎖措置の影響も、統計的に把握することは困難であり、経済見通しは流動的だ。1~3月期と4~6月期の二期連続のマイナス成長の後、緩やかに正常化すると想定した場合、2020年の実質GDPは0.1%となる。リスクバランスは下方にある。
- 3月12日理事会でのECBの追加緩和への期待も高まっている。流動性供給に万全を期すため、TLTROⅢの条件緩和に動く可能性は高そうだ。マイナス0.5%の中銀預金金利の深堀りは、副作用が懸念される上に、そもそも余地に乏しく、温存の可能性もある。資産買い入れ増額も見送られる可能性がある。
- 市場の期待を裏切れば、ユーロ高が進むリスクはある。ドラギ前総裁であれば、市場の期待を上回る緩和に動く局面だろうが、果たしてラガルド総裁はどう動くか。12日理事会の結果を待ちたい。
このレポートの関連カテゴリ
03-3512-1832
経歴
- ・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職
・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年04月30日
今週のレポート・コラムまとめ【4/23-4/26発行分】 -
2024年04月26日
ドイツの産業空洞化リスク-グローバル化逆回転はドイツへの逆風、日本への追い風か?- -
2024年04月26日
米GDP(24年1-3月期)-前期比年率+1.6%と前期から低下、市場予想の+2.5%も大幅に下回る -
2024年04月26日
滞留するふるさと納税 -
2024年04月26日
EUのDMA関連調査開始決定-GAFAそれぞれの問題を指摘
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
-
2023年07月03日
News Release
【新型コロナウィルス拡大で景気は後退-2020~21年欧州経済見通し】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
新型コロナウィルス拡大で景気は後退-2020~21年欧州経済見通しのレポート Topへ