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国の破産も招きかねない韓国における家計債務の実態

生活研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任 金 明中
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- 韓国における家計債務が継続的に増加している。2019年第3四半期末の家計債務総額は1573兆ウォンで、前年同期比で3.9%増加した。
- 韓国における家計債務が増加している理由としては、(1)低金利が長期間続いたこと、(2)韓国政府が住宅ローン貸し出し規制を緩和したこと、(3)早期退職者が自営業を開業するための資金を確保するために貸し出しを新生したこと等が考えられる。
- 家計債務の増加は家計の消費支出の減少による内需の縮小や経済成長率の鈍化、そして金融システムのリスク増加をもたらす恐れがある。
- 韓国政府は家計債務の問題を慎重に受け入れ、解決のための対策をさらに講じる必要がある。
- 現在、韓国が抱えている家計債務の問題はただ個人の問題ではなく、金融危機やそれによる国家破産の原因にもなり得ることを忘れてはならないだろう。
■目次
はじめに
債務が多いのは40代と自営業者の世帯及び高所得世帯
債務増加の第一の原因:低金利
債務増加の第二の原因:住宅ローン貸し出し規制の緩和
債務増加の第三の原因:早期退職者の自営業開業資金
金融危機の原因にもなりうる
(2020年01月30日「基礎研レター」)

生活研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任
金 明中 (きむ みょんじゅん)
研究・専門分野
高齢者雇用、不安定労働、働き方改革、貧困・格差、日韓社会政策比較、日韓経済比較、人的資源管理、基礎統計
03-3512-1825
- プロフィール
【職歴】
独立行政法人労働政策研究・研修機構アシスタント・フェロー、日本経済研究センター研究員を経て、2008年9月ニッセイ基礎研究所へ、2023年7月から現職
・2011年~ 日本女子大学非常勤講師
・2015年~ 日本女子大学現代女性キャリア研究所特任研究員
・2021年~ 横浜市立大学非常勤講師
・2021年~ 専修大学非常勤講師
・2021年~ 日本大学非常勤講師
・2022年~ 亜細亜大学都市創造学部特任准教授
・2022年~ 慶應義塾大学非常勤講師
・2019年 労働政策研究会議準備委員会準備委員
東アジア経済経営学会理事
・2021年 第36回韓日経済経営国際学術大会準備委員会準備委員
【加入団体等】
・日本経済学会
・日本労務学会
・社会政策学会
・日本労使関係研究協会
・東アジア経済経営学会
・現代韓国朝鮮学会
・博士(慶應義塾大学、商学)
金 明中のレポート
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