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2020年01月29日
EUソルベンシーIIにおけるLTG措置等の適用状況とその影響(2)-EIOPAの2019年報告書の概要報告-
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3―措置毎の国別の適用状況(適用会社及びSCR比率への影響等)-MA-
なお、MAの適用状況をグループで考えると、18グループが適用し、その国別内訳は、英国が11、スペインが6、オランダが1となっており、こちらの数は前年度に比べて英国で3減少している。
スペインでMAを適用する保険会社によって提供される保険商品に関して、以下の特徴がNSA(監督当局)によって報告されている。
・商品の目的は老後のための貯蓄
・商品の保険義務はソルベンシーIIの商品種類の「その他の生命保険」に該当する。
・商品は終身年金または一時金を保証
・商品には保証利率がある。
英国では、MA適格負債は主に 「個人」 年金と 「一括購入」 年金から構成される。基本的なレベルでは、年金は、前払いの保険料支払いに対して、契約者に所得を支払う契約であるが、他の契約と同様に、この中核的なテーマの変形(例えば、場合によっては、所得の流れはインフレ指数に沿って増加する)がある。個人年金は、通常は退職時に個人の保険契約者に販売される。「一括購入」 年金は、一般に年金基金に販売される商品であり、年金基金の負債の一部または全部をカバーするために年金型資産を購入する。
・商品の目的は老後のための貯蓄
・商品の保険義務はソルベンシーIIの商品種類の「その他の生命保険」に該当する。
・商品は終身年金または一時金を保証
・商品には保証利率がある。
英国では、MA適格負債は主に 「個人」 年金と 「一括購入」 年金から構成される。基本的なレベルでは、年金は、前払いの保険料支払いに対して、契約者に所得を支払う契約であるが、他の契約と同様に、この中核的なテーマの変形(例えば、場合によっては、所得の流れはインフレ指数に沿って増加する)がある。個人年金は、通常は退職時に個人の保険契約者に販売される。「一括購入」 年金は、一般に年金基金に販売される商品であり、年金基金の負債の一部または全部をカバーするために年金型資産を購入する。
4―まとめ
以上、今回のレポートでは、EIOPAの報告書に基づいて、ソルベンシーIIにおける欧州保険会社のLTG措置や株式リスク措置の適用状況とその財政状態に与える影響について、主として第3のセクションから、UFRの使用及びMAの適用状況について、その国別の適用会社数やSCR比率への影響等を報告してきた。
MAの適用は英国とスペインの2カ国の会社に限定されている。ただし、前回のレポートで報告したように、これら2カ国、特に英国の保険会社がMAの適用によって受けている影響は、VA適用会社全体に匹敵するものとなっており、これらの2カ国、特に英国におけるMAの位置付けの重要性が際立った形になっている。
次回の3回目のレポートでは、EIOPAの報告書の第3のセクションから、VA(ボラティリティ調整)の適用状況について、その国別の適用会社数やSCR比率への影響等を報告する。
MAの適用は英国とスペインの2カ国の会社に限定されている。ただし、前回のレポートで報告したように、これら2カ国、特に英国の保険会社がMAの適用によって受けている影響は、VA適用会社全体に匹敵するものとなっており、これらの2カ国、特に英国におけるMAの位置付けの重要性が際立った形になっている。
次回の3回目のレポートでは、EIOPAの報告書の第3のセクションから、VA(ボラティリティ調整)の適用状況について、その国別の適用会社数やSCR比率への影響等を報告する。
(2020年01月29日「保険・年金フォーカス」)
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中村 亮一のレポート
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