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欧米生保市場定点観測(毎月第二火曜日発行)DC年金自動制度と加入者動向-DC年金の加入者は、「慣性の法則」に支配されていないか?
保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也
慣性の法則のことを英語では、“law of inertia”(ロー・オブ・イナーシア)と呼ぶ。inertiaには、「慣性」の他に、「不活発」という意味もある。自動制度を通じて、DC年金に加入し、掛金を支払い、運用をする人は、このinertiaの状態になり、「慣性の法則」に支配されているのかもしれない。
5――日本のDC年金におけるデフォルト商品運用
6――おわりに (私見)
しかし、そもそもDC年金は、退職後資産の形成を、加入者が主体的にリスクを負って行うものであったはずである。掛金設定や運用商品が加入時の初期設定に留まるinertiaの状態の加入者が多く存在することは、DC年金本来の意義を踏まえると、好ましい状況とばかりは言えないかもしれない。
日本では、現在、自動加入や自動掛金引上げは認められていない。デフォルト商品による運用については、前章のとおり、検討が進められている。その際、真に加入者の資産形成に役立つ年金制度とはどういう制度か、という視点から、検討を進めるべきと思われる。そして更に、加入者の理解が進み、年金制度の利便性が向上していくよう、デフォルト商品だけではなく、投資教育、その他各種情報提供のあり方等について、幅広い議論を行い、必要な制度改正につなげることが重要と考えられる。
保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員
篠原 拓也 (しのはら たくや)
研究・専門分野
保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務
03-3512-1823
- 【職歴】
1992年 日本生命保険相互会社入社
2014年 ニッセイ基礎研究所へ
【加入団体等】
・日本アクチュアリー会 正会員
(2015年12月08日「基礎研レター」)
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