2014年10月14日

欧米生保市場定点観測(7)アメリカの企業年金の動向-確定拠出型プランへの移行は更に進むのか?

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也

文字サイズ

【要旨】

本稿は、アメリカの企業年金の概要や近年の動向について紹介するもので、特に予備知識を要しない平易な内容としている。

アメリカの最新の統計資料によると、企業年金のうち、確定給付型プランは減少が進む一方、確定拠出型プランは増加している。確定給付型から確定拠出型への移行が進んでいる。
これには産業構造の変化、雇用の流動化、財務・リスク管理面からの要請などが要因として挙げられる。近年は、確定給付型プランで、財政が悪化し、企業のモラル・ハザードが生じる問題も指摘されている。一方、確定拠出型プランでは、拒否の意思表示をしない従業員を自動的に加入させる、加入者の掛金を毎年自動的に引き上げるといった、加入促進のための取り組みが進んでいる。
アメリカの企業年金の動向は、日本の退職給付制度を考える上で、参考となる点が多い。今後も、引き続き、注目する必要があると考えられる。

(2014年10月14日「保険・年金フォーカス」)

Xでシェアする Facebookでシェアする

保険研究部   主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員

篠原 拓也 (しのはら たくや)

研究・専門分野
保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務

経歴
  • 【職歴】
     1992年 日本生命保険相互会社入社
     2014年 ニッセイ基礎研究所へ

    【加入団体等】
     ・日本アクチュアリー会 正会員

公式SNSアカウント

新着レポートを随時お届け!
日々の情報収集にぜひご活用ください。

週間アクセスランキング

レポート紹介

【欧米生保市場定点観測(7)アメリカの企業年金の動向-確定拠出型プランへの移行は更に進むのか?】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

欧米生保市場定点観測(7)アメリカの企業年金の動向-確定拠出型プランへの移行は更に進むのか?のレポート Topへ