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2025年06月09日

2025・2026年度経済見通し-25年1-3月期GDP2次速報後改定

経済研究部 経済調査部長 斎藤 太郎

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■要旨
 
<実質成長率:2025年度0.3%、2026年度0.9%を予想>
 
  1. 2025年1-3月期の実質GDP(2次速報値)は、民間在庫変動の上方修正などから1次速報の前期比▲0.2%(年率▲0.7%)から前期比▲0.0%(年率▲0.2%)に上方修正された。
     
  2. GDP2次速報の結果を受けて、5月に発表した経済見通しを改定した。実質GDP成長率は2025年度が0.3%、2026年度が0.9%と予想する。成長率見通しは5月時点から変えていない。
     
  3. 2025年4-6月期は、国内需要の回復ペースが緩やかにとどまる中で、関税引き上げの影響で米国向けを中心に輸出が大きく落ち込むことから、2四半期連続のマイナス成長となる可能性が高い。2025年7-9月期以降は関税引き上げの影響が減衰するもとで、民間消費、設備投資などの国内需要が持ち直すことからプラス成長に復帰すると予想するが、現在停止されている相互関税の上乗せ分が発動された場合には、マイナス成長が継続し、景気後退に陥るリスクが高まるだろう。
     
  4. 消費者物価上昇率(生鮮食品を除く総合)は、2025年度が2.5%、2026年度が1.6%と予想する。高水準の賃上げを背景にサービス価格の上昇ペースが高まる一方、円高や原油安による輸入物価の下落が財価格の上昇率鈍化につながり、2026年入り後は日銀の物価目標である2%を割り込むだろう。

 
実質GDP成長率の推移(年度)
■目次

1.2025年1-3月期の実質GDPは前期比年率▲0.2%へ上方修正
  (トランプ関税の影響が一部で顕在化)
  (2026年の春闘賃上げ率は鈍化へ)
2.実質成長率は2025年度0.3%、2026年度0.9%を予想
  (物価の見通し)

本資料記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と完全性を保証するものではありません。
また、本資料は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。

(2025年06月09日「Weekly エコノミスト・レター」)

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経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴
  • ・ 1992年:日本生命保険相互会社
    ・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
    ・ 2019年8月より現職

    ・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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