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- 新NISAは日本株式を押し上げたのか
2025年02月07日
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1―新NISAから日本株への流入は?
2―投信経由は増えているが限定的
まず、主に日本株式で運用している新NISA対象の投資信託の売買動向を見ると、2024年もそれ以前と同様に株価の変動に合わせて売買される傾向があった。インデックス型を中心に日本株式が上昇すると売却が膨らみ、下落すると買付が膨らんでおり、買付が顕著に増えている様子は見られなかった[図表3]。
ただし、一部で変化の兆しが見られた。多少は、新NISAによって買付が増えている可能性もありそうである。
例えば2024年は設定額が、指数に連動するいわゆるインデックス型だと1,500億円、全体だと3,000億円を上回り続けている。2023年以前は、インデックス型だと1,000億円未満、全体だと2,000億円を下回っている月があった。買付が少ない月の水準が、2024年に入ってから切りあがっている。
また、2024年は利益確定売りが出やすい環境であり、以前なら売却超過に陥ってもおかしくなかったが、11月までで1.2兆円買い越されている。特に1月から3月は、日本株式が大きく上昇した割に買付が多かった。
ただし、一部で変化の兆しが見られた。多少は、新NISAによって買付が増えている可能性もありそうである。
例えば2024年は設定額が、指数に連動するいわゆるインデックス型だと1,500億円、全体だと3,000億円を上回り続けている。2023年以前は、インデックス型だと1,000億円未満、全体だと2,000億円を下回っている月があった。買付が少ない月の水準が、2024年に入ってから切りあがっている。
また、2024年は利益確定売りが出やすい環境であり、以前なら売却超過に陥ってもおかしくなかったが、11月までで1.2兆円買い越されている。特に1月から3月は、日本株式が大きく上昇した割に買付が多かった。
3―個別銘柄は売り越し
4―投信は外国株式選好
5―個別銘柄については短期売買
6―課税口座などからの買替も発生
さらに3つ目の理由として、上場株式に限った話ではないが一部で課税口座や一般NISA口座からNISA口座への買い替えがあったことである。
個人の日本株式の売買は、2024年に入ってから急増している。2023年秋にネット証券大手2社が日本株式の個別銘柄の売買手数料を無料化して、個人の株式売買がよりしやすくなっていた。そこに2024年は日本株式が好調となったため、活況となったと考えられる。
取引の急増自体は投資環境によるところが大きかったが、課税口座や一般NISA口座から新NISAへの買い替えがあったことも背景にあっただろう。
つまり、新NISAをきっかけに日本株式に入ってきた個人の新規資金、特にとどまり続ける新規資金は、想像以上に少なかったと推察される。
そもそも新NISAによって個人投資家が増えているといっても、実際に増えているのは投資経験の浅い人である。そのような人が、いきなり個別銘柄に手を出すとは考えにくい。日本株式を買い付けるとしても、投資信託経由であろう。
それもあって日本株式の個別銘柄の売買については、新NISAの影響が投資信託以上に限定的になっているのかもしれない。
個人の日本株式の売買は、2024年に入ってから急増している。2023年秋にネット証券大手2社が日本株式の個別銘柄の売買手数料を無料化して、個人の株式売買がよりしやすくなっていた。そこに2024年は日本株式が好調となったため、活況となったと考えられる。
取引の急増自体は投資環境によるところが大きかったが、課税口座や一般NISA口座から新NISAへの買い替えがあったことも背景にあっただろう。
つまり、新NISAをきっかけに日本株式に入ってきた個人の新規資金、特にとどまり続ける新規資金は、想像以上に少なかったと推察される。
そもそも新NISAによって個人投資家が増えているといっても、実際に増えているのは投資経験の浅い人である。そのような人が、いきなり個別銘柄に手を出すとは考えにくい。日本株式を買い付けるとしても、投資信託経由であろう。
それもあって日本株式の個別銘柄の売買については、新NISAの影響が投資信託以上に限定的になっているのかもしれない。
7―最後に
このように新NISAが始まっても個人の資金が日本株式に向かわなかった背景には、投資先として日本株式を魅力的に感じていない人が多いことがある。
日本株式自体の投資魅力が高まってこないと、2025年以降も個人の外国株式選好や日本株式の短期売買志向が続く可能性が高そうである。
日本株式自体の投資魅力が高まってこないと、2025年以降も個人の外国株式選好や日本株式の短期売買志向が続く可能性が高そうである。
(2025年02月07日「基礎研マンスリー」)
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経歴
- 【職歴】
2008年 大和総研入社
2009年 大和証券キャピタル・マーケッツ(現大和証券)
2012年 イボットソン・アソシエイツ・ジャパン
2014年 ニッセイ基礎研究所 金融研究部
2022年7月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会検定会員
・投資信託協会「すべての人に世界の成長を届ける研究会」 客員研究員(2020・2021年度)
前山 裕亮のレポート
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