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- 外国株式投信が非常によく売れた2024年
2025年02月05日
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2024年は、追加型株式投信(ETFを除く。以後、投信)に15兆7,000億円の資金流入があった。2023年の6兆7,000億円やここ数年で販売が最も好調だった2021年の9兆6,000億円を大きく上回り、2007年の14兆5,000億円も超え過去最大の資金流入となった。流入額は上半期が8兆5,000億円だったのに対して、下半期が7兆2,000億円と上半期と比べてやや鈍化したが、1年を通じて大規模な資金流入があった。
投信の資金動向を組入れられている資産別にみると、明暗が分かれていた【図表1】。国内REIT投信と外国REIT投信は流出超過だった。また、国内債券投信と外国債券投信は3,000億円程度の資金流入があったが、資金流入の大部分がラップ口座等で用いられるSMA専用投信だった。SMA専用投信を除外すると、外国債券投信と国内債券投信も流出超過となっていた。
その一方で、国内株式投信、外国株式投信、様々な資産が組入れられているバランス型投信はそれぞれ1兆円を超える資金流入があった。国内株式投信は、株価が歴史的高値圏で推移し、売却が出やすかった割に資金流入が2023年から増加し健闘したといえよう。ただ、外国株式投信は2024年に12兆7,000億円の資金流入があり、2023年の4兆円から8兆7,000億円も増加した。流入額、2023年からの増加額ともに突出しており、販売を牽引したことが分かる。
外国株式投信の中では、指数に連動するインデックス型に8兆8,000億円流入していた。インデックス型の外国株式は2023年に3兆5,000億円と過去最大の資金流入があったが、さらに2024年は2023年の2.5倍に膨らんだ。また、アクティブ型も4兆円の資金流入があり、2023年の5,000億円から急増し、2021年の5兆8,000億円以来の規模であった。
投信の資金動向を組入れられている資産別にみると、明暗が分かれていた【図表1】。国内REIT投信と外国REIT投信は流出超過だった。また、国内債券投信と外国債券投信は3,000億円程度の資金流入があったが、資金流入の大部分がラップ口座等で用いられるSMA専用投信だった。SMA専用投信を除外すると、外国債券投信と国内債券投信も流出超過となっていた。
その一方で、国内株式投信、外国株式投信、様々な資産が組入れられているバランス型投信はそれぞれ1兆円を超える資金流入があった。国内株式投信は、株価が歴史的高値圏で推移し、売却が出やすかった割に資金流入が2023年から増加し健闘したといえよう。ただ、外国株式投信は2024年に12兆7,000億円の資金流入があり、2023年の4兆円から8兆7,000億円も増加した。流入額、2023年からの増加額ともに突出しており、販売を牽引したことが分かる。
外国株式投信の中では、指数に連動するインデックス型に8兆8,000億円流入していた。インデックス型の外国株式は2023年に3兆5,000億円と過去最大の資金流入があったが、さらに2024年は2023年の2.5倍に膨らんだ。また、アクティブ型も4兆円の資金流入があり、2023年の5,000億円から急増し、2021年の5兆8,000億円以来の規模であった。
2024年は、新NISAとして少額投資非課税制度(NISA)が大幅に拡充されたこともあり、NISAの口座数が急増した【図表2】。2024年9月末で2,500万を超え、2,000万口座を超えたのがちょうど1年前の2023年9月末であり、この1年で500万に迫る口座が新規に開設された。30歳代から60歳代ではおおむね4人に1人がNISA口座を保有しており、かなり制度が普及してきている。
また、NISA口座からの買付も、2024年に入ってから9カ月間で13兆8,000億円あった。2024年1年間だと、2023年の一般NISA、つみたてNISAの口座からの買付額5兆2,000億円の3倍を上回る見込みである。年間の投資枠が最大で360万円とこれまでの倍以上に増えたこともあり、積極的に買付ける人が多かったようだ。商品別にみると投信、上場株式ともに買付が増えたが、投信が9カ月で8兆8,000億円と買付全体の6割以上を占めた。NISA口座からの投信の買付の大部分が外国株式投信、特にインデックス型だったようだ。
2024年は新NISAに加えて、外国株式投信が総じて高パフォーマンスだったことも外国株式投信の販売に追い風になったと思われる。米国を中心に世界的に株価が上昇し、外国為替市場で円安が進行したため、多くの外国株式投信は基準価額が大きく上昇した。半導体株や米ハイテク株、インド株などのテーマ型の外国株式投信、さらにNISA口座から買付不可であったが高分配が続いた毎月分配型の外国株式投信なども2024年によく売れた。
投資経験の少ない人も積極的に外国株式投信に投資していると考えられるが、2024年に限らず2020年のコロナ・ショック以降、外国株式投信にとって非常によい投資環境が続いている。そのため、投資環境が悪化した際に売却してしまう人が出てこないかが懸念される。実際に7月下旬から8月上旬に多くの外国株式投信の基準価額が一時的に急落した際には、インデックス型の外国株式投信などで売却が増え、一部では慌てて売却した人がいたことがうかがえる。
このように2024年にNISAの活用が広がっていることや、それに伴って投信を用いた資産運用がさらに普及していること自体は非常に喜ばしいことである。その一方で、NISAの活用者や投信の保有者をいかにサポートしていくかが、今後は重要となるだろう。
また、NISA口座からの買付も、2024年に入ってから9カ月間で13兆8,000億円あった。2024年1年間だと、2023年の一般NISA、つみたてNISAの口座からの買付額5兆2,000億円の3倍を上回る見込みである。年間の投資枠が最大で360万円とこれまでの倍以上に増えたこともあり、積極的に買付ける人が多かったようだ。商品別にみると投信、上場株式ともに買付が増えたが、投信が9カ月で8兆8,000億円と買付全体の6割以上を占めた。NISA口座からの投信の買付の大部分が外国株式投信、特にインデックス型だったようだ。
2024年は新NISAに加えて、外国株式投信が総じて高パフォーマンスだったことも外国株式投信の販売に追い風になったと思われる。米国を中心に世界的に株価が上昇し、外国為替市場で円安が進行したため、多くの外国株式投信は基準価額が大きく上昇した。半導体株や米ハイテク株、インド株などのテーマ型の外国株式投信、さらにNISA口座から買付不可であったが高分配が続いた毎月分配型の外国株式投信なども2024年によく売れた。
投資経験の少ない人も積極的に外国株式投信に投資していると考えられるが、2024年に限らず2020年のコロナ・ショック以降、外国株式投信にとって非常によい投資環境が続いている。そのため、投資環境が悪化した際に売却してしまう人が出てこないかが懸念される。実際に7月下旬から8月上旬に多くの外国株式投信の基準価額が一時的に急落した際には、インデックス型の外国株式投信などで売却が増え、一部では慌てて売却した人がいたことがうかがえる。
このように2024年にNISAの活用が広がっていることや、それに伴って投信を用いた資産運用がさらに普及していること自体は非常に喜ばしいことである。その一方で、NISAの活用者や投信の保有者をいかにサポートしていくかが、今後は重要となるだろう。
(2025年02月05日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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経歴
- 【職歴】
2008年 大和総研入社
2009年 大和証券キャピタル・マーケッツ(現大和証券)
2012年 イボットソン・アソシエイツ・ジャパン
2014年 ニッセイ基礎研究所 金融研究部
2022年7月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会検定会員
・投資信託協会「すべての人に世界の成長を届ける研究会」 客員研究員(2020・2021年度)
前山 裕亮のレポート
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