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インデックス型ファンド人気の中でのアクティブファンド選択

金融研究部 主任研究員・年金総合リサーチセンター・ジェロントロジー推進室・サステナビリティ投資推進室兼任 高岡 和佳子
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アクティブファンドが競い合うほど、市場は効率的になりアルファを獲得しにくくなるが、インデックス型ファンドには誤った価格で取引されている銘柄を発見し修正する機能はない。このため、インデックス型ファンドの人気が高まって、相対的にアクティブファンドの影響力が低下すれば、市場は非効率的になって、アルファを獲得しやすくなるかもしれない。
そこで、近年の運用実績データを用いて、アクティブファンドのうち、リターンがベンチマークを上回ったファンドの割合、及び平均超過リターンを1年毎(毎年11月~翌年10月)に計算した。結果は、図表2に示す通りで、残念ながら、インデックス型ファンドの人気の高まりに応じて、より多くのアクティブファンドがアルファを獲得している傾向も、より高いアルファを獲得している傾向も確認できない。
このように、高い信託報酬に見合った結果が期待できないファンドが大多数を占めていても、アルファを獲得できるファンドは皆無ではない。つまり、市場は決して効率的とは言えない。インデックス型ファンドに資金が集まる中、今後劇的に市場が効率化するとも考えにくい。であるならば、受益者の利益を追求するためにも、端からアクティブファンドの採用をあきらめるべきではなく、アルファの獲得を期待できるファンドを探索することが重要だろう。
もちろん、過去に優れた実績をあげたファンドが将来も優れた実績をあげるとは限らないので、アルファを獲得するファンドは事前には分からない。運不運の要素はあるが、定性・定量の両面から幅広く丁寧な調査によって、その確度を高めることはできるはずだ。
(2025年01月08日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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03-3512-1851
- 【職歴】
1999年 日本生命保険相互会社入社
2006年 ニッセイ基礎研究所へ
2017年4月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会検定会員
高岡 和佳子のレポート
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