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- トランプ政権始動、円相場の行方は関税次第に~マーケット・カルテ2月号
2025年01月22日
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今後3カ月間を見通した場合、ドルが弱含むと予想している。まず、物価上昇率の鈍化を受けてFRBが3月に利下げを実施することがドル安に働くと見ている。日銀の1月利上げはほぼ織り込み済みだが、3月の春闘集中回答において高い賃上げが確認されることで、追加利上げが意識されやすくなることも円の支援材料になる。一方、トランプ政権による追加関税は不透明感が強い。現状では、対中国関税が一部引き上げられることで、ドルの下値が支えられる程度と想定している。この結果、3カ月後の水準は現状比でややドル安の154円前後と見込んでいる。ただし、トランプ政権の政策発動は予測困難であり、想定よりも大規模・広範な追加関税が実現する場合には、160円を突破する可能性もある。
月初1.1%台前半でスタートした長期金利は、好調な米経済指標を受けた米金利上昇や日銀による1月利上げ観測を受けて、今月半ばに1.2%台半ばに到達。その後はFRB高官の利下げに前向きな発言などを受けてやや低下し、足元では1.1%台後半にある。
今後3カ月間を見通した場合、日銀の追加利上げと長期国債買入れ減額を受けて金利上昇圧力が燻るものの、大方織り込み済みであるほか、FRBの利下げが抑制に働くため、上昇余地は乏しいだろう。3ヵ月後の水準はほぼ横ばいの1.1%台と予想している。ただし、トランプ政権による政策発動を巡って、不安定な展開となる可能性が高い。
(執筆時点:2025/1/22)
(2025年01月22日「基礎研マンスリー」)
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03-3512-1870
経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
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