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日本の不妊治療動向2022-2022年の総治療周期数は543,630件と、前年より45,490件の増加、治療ピークは42歳で保険適用年齢の制限が影響か-

生活研究部 研究員・ジェロントロジー推進室・ヘルスケアリサーチセンター 兼任 乾 愛
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2022年の不妊治療実績件数(年別治療周期総数 )は、543,630件(前年差:+45,490 件)であり、治療法別では体外受精を示すIVF・顕微授精を示すICSI・凍結融解胚(卵)移植のいずれも大幅な実績件数の増加が確認された。
年齢別の不妊治療実績件数(治療周期数)のピークは42歳における46,095件であり、2021年の治療ピーク39歳よりも2歳分ピークが後ろ倒しとなっており、保険適用年齢制限における駆け込み治療の可能性が示唆された。また、40歳及び41歳の治療実績件数の落ち込みは、不妊治療の回数制限の影響を受けている可能性も示された。
2022年の不妊治療の妊娠率・流産率・生産率(全凍結周期を除外)を確認すると、妊娠率は、22歳から34歳頃まで40%前後で推移したのち下降、生産率も30%前後で推移したのち下降、流産率は34歳で 20%に到達し、その後一気に上昇曲線を描いている。 生産率は44歳で3.4%と、医学的臨界点となる5%程になることも明らかとなった。
2022年からの保険適用で治療に踏み込みやすくなった一方で、妊孕性の限界が迫る43歳以上の治療者が全体の14.8%を占める実態は、今後の制度の在り方を議論する上で無視できないものである。
尚、日本産科婦人科学会では、毎年ARTデータを公表しており、引き続き、そのデータを用いて日本生殖補助医療の特徴を解析する予定である。
■目次
1――はじめに
2――2022年不妊治療の特徴
1|不妊治療実績件数(年別治療周期総数の推移)
2|2022年 年齢別治療実績件数(治療周期総数)
3|2022年 年齢別治療実績件数(妊娠周期数・流産率・生産周期数)
4|2022年 年齢別治療実績件数(妊娠周期数・流産率・生産周期数)
(2024年10月10日「基礎研レター」)
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03-3512-1847
- 【職歴】
2012年 東大阪市入庁(保健師)
2018年 大阪市立大学大学院 看護学研究科 公衆衛生看護学専攻 前期博士課程修了(看護学修士)
2019年 ニッセイ基礎研究所 入社
・大阪市立大学(現:大阪公立大学)研究員(2019年~)
・東京医科歯科大学(現:東京科学大学)非常勤講師(2023年~)
・文京区子ども子育て会議委員(2024年~)
【資格】
看護師・保健師・養護教諭一種・第一種衛生管理者
【加入団体等】
日本公衆衛生学会・日本公衆衛生看護学会・日本疫学会
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