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プレコンセプションケア5か年計画始動-今後5年で認知度の引き上げと相談支援体制の充実へ、性別や世代を問わず「当事者意識の醸成」が鍵-

生活研究部 研究員・ジェロントロジー推進室・ヘルスケアリサーチセンター 兼任 乾 愛
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本稿では、「プレコンセプションケア推進5か年計画」の概要について、基本的な考え方や今後5年間の集中的な取り組みの中身について、筆者の意見も交えながら概説する。
プレコンセプションケアの概念及び現状・課題とその対応にあたっての基本的な考え方として、(1)プレコンセプションケア概念の普及、(2)プレコンセプションケアに関する相談支援体制の充実、(3)専門的な相談支援体制の強化の3つの視点が掲げられている。
今後5年間の集中的な取組みとしては、性や健康に関する正しい知識の普及と情報提供として、若年世代向けにSNS等を活用した積極的な情報発信や、プレコンセプションケアの普及に係る人材育成(プレコンサポーター)とともに、自治体・企業・教育機関等における講演会やセミナーの開催を全世代向けに実施する方針が示されている。
また、一般相談支援体制の充実として、性と健康の相談センターなどを活用した相談窓口の認知度を引き上げることや、身近な地域において医療機関や専門家による相談支援体制の整備を図ること、夜間休日対応を含めた相談談者の利便性を考慮した相談支援体制の整備が示されている。
さらに、専門的な相談支援体制の充実として、基礎疾患を有する方々が医療機関等で相談できるように、全国に専門相談の窓口を設置する方針が示された。
プレコンセプションケアは、性別を問わず全ての世代の方々にとって重要な概念・取組みであり、社会全体において早急な概念の普及と相談支援体制の充実が求められている。
■目次
1――はじめに
2――プレコンセプションケアの概念と課題に対する基本的な考え方
1|プレコンセプションケアに関する概念の普及
2|プレコンセプションケアに関する相談支援体制の充実
3|専門的な相談支援体制の強化
3――今後5年間の集中的な取り組み
1|性や健康に関する正しい知識の普及と情報提供
2|相談支援の充実(一般相談)
3|相談支援の充実(専門相談)
4――さいごに
(2025年07月31日「基礎研レター」)
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03-3512-1847
- 【職歴】
2012年 東大阪市入庁(保健師)
2018年 大阪市立大学大学院 看護学研究科 公衆衛生看護学専攻 前期博士課程修了(看護学修士)
2019年 ニッセイ基礎研究所 入社
・大阪市立大学(現:大阪公立大学)研究員(2019年~)
・東京医科歯科大学(現:東京科学大学)非常勤講師(2023年~)
・文京区子ども子育て会議委員(2024年~)
【資格】
看護師・保健師・養護教諭一種・第一種衛生管理者
【加入団体等】
日本公衆衛生学会・日本公衆衛生看護学会・日本疫学会
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