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暑熱ストレスの労働への影響-東アジアのいくつかの研究で労働生産性の減少が指摘されている

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也
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気候変動問題への注目度が世界的に高まっている。地球温暖化は暑熱ストレスとして、暑熱期の労働にも影響を与える。夏場の労働生産性の低下や、労働災害の発生などである。各国の研究者は、暑熱ストレスが労働に与える影響の研究を進めている。本稿では、そのなかで日本との類似性が高いとみられる東アジアの研究をいくつか概観していく。
■目次
1――はじめに
2――文献の選定
1|イタリアの研究者らが行った文献レビューは、気候変動と労働のグローバルな関連を
抽出している
2|東アジアの研究に着目する
3――文献のレビュー
1|北京での実地調査
: WBGTが1℃上昇すると、直接作業時間は0.57%減少し、遊休時間は0.74%増加
2|香港での実地調査
: WBGTの上昇は直接作業時間の減少につながる
3|広州市での労働災害保険データ分析
: 労働災害の4.8%は暑熱ストレスの限界を超える曝露に起因
4|韓国の暑熱と休息サイクルの分析
: 重労働を中心に、労働生産性に大きな負の影響を与える可能性
5|中国全域のWBGTと労働能力の分析 : 暑熱ストレスの激化により労働能力が著しく減少
6|東京・大阪の労働安全時間の分析
: 重労働制限日数は、2090年代には8月の約2/3の日数に増加
7|南京市での猛暑の影響調査
: 産業の相互依存性のため製造業やサービス業にも間接的損失が発生
8|中国での高温補助金支払いに関する調査
: 屋外労働生産性に大きな負の影響を与える可能性
4――おわりに (私見)
(2024年05月28日「基礎研レター」)

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員
篠原 拓也 (しのはら たくや)
研究・専門分野
保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務
03-3512-1823
- 【職歴】
1992年 日本生命保険相互会社入社
2014年 ニッセイ基礎研究所へ
【加入団体等】
・日本アクチュアリー会 正会員
篠原 拓也のレポート
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