- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 保険 >
- 欧米保険事情 >
- 米国消費者の生命保険ニーズギャップは過去最大-コロナ禍以降、ニーズギャップは拡大-
米国消費者の生命保険ニーズギャップは過去最大-コロナ禍以降、ニーズギャップは拡大-
保険研究部 上席研究員 兼 気候変動リサーチセンター 気候変動調査部長 有村 寛
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
1――過去最大となった米国生命保険ニーズギャップ
また、表にはないが、「今後1年以内に生保に加入するつもりである」と回答した人は、全体の37%(18歳から75歳までの約9000万人2)に達しており、リムラのニュースリリース上も、重要な点として、強調されている。
(図表2)は、ニーズギャップの推移を示したものである。2019年以前は、30%台前半から半ばにかけて推移していたが、新型コロナウイルスの感染拡大を経て2020年に急増して以降、その状況が続いており、パンデミック以降、多くの人が生命保険加入の必要性を認識していることを示している3。
1 LIMRA ニュースリリース「U.S. Life Insurance Need Gap Grows in 2024」2024年4月15日。
2 前掲注釈1のニュースリリースにおいてLIMRAが公表した数値(生保ニーズギャップがある人42%、18歳から75歳までの約1億200万人に相当)に基づき、筆者が推計した。
3 前掲注釈1にて記載の2024年4月15日付LIMRA ニュースリリースでも、同社が毎年行っている調査では、パンデミック以来、より多くの人が保険加入に大きな関心を示している旨、記載されている。
これらは、米国消費者の多くが生命保険の必要性を認識しつつも、加入に至っていないことを示しているものと考えられる。
リムラでは、米国消費者は、「生命保険について、何にどれだけ加入すればよいか、また、保険料は実際どの位なのかについてほとんどわかっていない。これが、決断できないことや、行動に移せないことに繋がっている。」としている5。
「米国消費者の約4分の3が定期保険の保険料について、実際よりも高いと誤解している」、との調査結果もあり、生命保険への誤解や、わかりにくさが、生命保険への加入を阻んでいるものとも考えられる。このあたりの状況については、また改めて整理した上で、別レポートにて紹介したい。世界最大の生保市場を抱える米国の状況については、引き続き注視して参りたい。
4 生保加入率については、日本においても、水準の違いはあるものの、2003年88.0%、2006年86.1%、2009年86.7%、2012年86.3%、2015年85.4%、2018年85.6%、2021年84.9%(世帯主加入率、全生保)と、減少傾向にある。(生命保険文化センター「2021年度 生命保険に関する全国実態調査」)
5 前掲注釈1にて記載の2024年4月15日付LIMRA ニュースリリース。
(2024年05月10日「保険・年金フォーカス」)
03-3512-1822
- 【職歴】
1989年 日本生命入社
1990年 ニッセイ基礎研究所 総合研究部
1995年以降、日本生命にて商品開発部、法人営業企画部(商品開発担当)、米国日本生命(出向)、企業保険数理室、ジャパン・アフィニティ・マーケティング(出向)、企業年金G等を経て、2021年 ニッセイ基礎研究所へ、2023年7月より現職
2023年~ 大阪経済大学経済学部非常勤講師
有村 寛のレポート
| 日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
|---|---|---|---|
| 2025/07/24 | 4年連続で過去最高の新契約保険料収入となった米国個人生命保険販売-2025年以降も増加が予測されるものの、先行き不透明感も- | 有村 寛 | 保険・年金フォーカス |
| 2025/05/09 | 世界人口の動向と生命保険マーケット-生保マーケットにおける「中国の米国超え」は実現するのか | 有村 寛 | 基礎研マンスリー |
| 2025/04/25 | 世界人口の動向と生命保険マーケット-生保マーケットにおける「中国の米国超え」は実現するのか- | 有村 寛 | 研究員の眼 |
| 2025/04/15 | さらなる高成長が予想されるインド保険市場-今後5年間の収入保険料平均増加率は、生損計10%、生保9.5%- | 有村 寛 | 保険・年金フォーカス |
新着記事
-
2025年08月20日
貿易統計25年7月-貿易収支は事前予想を大きく下回ったが、関税引き上げの影響本格化はこれから -
2025年08月20日
米住宅着工・許可件数(25年7月)-着工件数(前月比)は減少予想に反して前月から2ヵ月連続の増加 -
2025年08月19日
「縮みながらも豊かに暮らす」社会への転換(3)-「稼ぐ力」「GX」強化と若年・女性参加を促す「ウェルビーイング」 -
2025年08月19日
今週のレポート・コラムまとめ【8/12-8/18発行分】 -
2025年08月18日
タイ経済:25年4-6月期の成長率は前年同期比2.8%増~駆け込み輸出が観光業の落ち込みを相殺
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【米国消費者の生命保険ニーズギャップは過去最大-コロナ禍以降、ニーズギャップは拡大-】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
米国消費者の生命保険ニーズギャップは過去最大-コロナ禍以降、ニーズギャップは拡大-のレポート Topへ













