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- 米個人所得・消費支出(24年3月)-個人消費(前月比)は堅調を維持、市場予想を上回る
2024年04月30日
1.結果の概要:個人所得(前月比)は市場予想に一致、個人消費は市場予想を上回る
4月26日、米商務省の経済分析局(BEA)は3月の個人所得・消費支出統計を公表した。個人所得(名目値)は前月比+0.5%(前月:+0.3%)と前月を上回る一方、市場予想(Bloomberg集計の中央値、以下同様)の+0.5%に一致した(図表1)。個人消費支出は前月比+0.8%(前月:+0.8%)と前月に一致、市場予想の+0.6%を上回った。価格変動の影響を除いた実質個人消費支出(前月比)は+0.5%(前月改定値:+0.5%)と+0.4%から小幅上方修正された前月に一致した一方、市場予想の+0.3%を上回った(図表5)。貯蓄率1は3.2%(前月:3.6%)と前月から▲0.4%ポイント低下した。
価格指数は、総合指数が前月比+0.3%(前月:+0.3%)と前月、市場予想(+0.3%)に一致した。変動の大きい食料品・エネルギーを除いたコア指数は前月比+0.3%(前月:+0.3%)とこちらも前月、市場予想(+0.3%)に一致した(図表6)。前年同月比は総合指数が+2.7%(前月:+2.5%)と前月、市場予想(+2.6%)を上回った。コア指数は+2.8%(前月:+2.8%)と前月に一致した一方、低下を見込んだ市場予想(+2.7%)を上回った(図表7)。
1 可処分所得に対する貯蓄(可処分所得-個人支出)の比率。
価格指数は、総合指数が前月比+0.3%(前月:+0.3%)と前月、市場予想(+0.3%)に一致した。変動の大きい食料品・エネルギーを除いたコア指数は前月比+0.3%(前月:+0.3%)とこちらも前月、市場予想(+0.3%)に一致した(図表6)。前年同月比は総合指数が+2.7%(前月:+2.5%)と前月、市場予想(+2.6%)を上回った。コア指数は+2.8%(前月:+2.8%)と前月に一致した一方、低下を見込んだ市場予想(+2.7%)を上回った(図表7)。
1 可処分所得に対する貯蓄(可処分所得-個人支出)の比率。
2.結果の評価:PCE価格指数(前月比)は総合、コアともに物価上昇圧力が継続
個人消費(前月比)の名目ベースは24年3月が、23年1月以来の高水準となった24年2月並みの伸びを維持し、24年2月以降個人消費の伸びが大幅に加速していることを示した(図表1)。
これに対して、個人所得(前月比)は労働需給の逼迫を背景に賃金・給与が堅調な伸びを維持したこともあって前月から伸びが加速したものの、可処分所得の伸びは個人消費を下回った。この結果、貯蓄率は3.2%と22年10月以来の水準に低下した。このため、米国の消費者は貯蓄を取り崩して消費している姿が鮮明となっており、足元の堅調な個人消費の持続性には疑問が残る。
一方、FRBが物価指標としているPCE価格指数は総合指数、物価の基調を示すコア指数ともに前月比は前月から横這いとなり引き続き物価上昇圧力が燻っていることを示した。また、前年同月比では依然としてFRBの物価目標である2%を上回る中、総合指数が前月から上昇したほか、コア指数が前月から横這いとなるなど、物価目標の達成が一筋縄でいかないことを示している。
これに対して、個人所得(前月比)は労働需給の逼迫を背景に賃金・給与が堅調な伸びを維持したこともあって前月から伸びが加速したものの、可処分所得の伸びは個人消費を下回った。この結果、貯蓄率は3.2%と22年10月以来の水準に低下した。このため、米国の消費者は貯蓄を取り崩して消費している姿が鮮明となっており、足元の堅調な個人消費の持続性には疑問が残る。
一方、FRBが物価指標としているPCE価格指数は総合指数、物価の基調を示すコア指数ともに前月比は前月から横這いとなり引き続き物価上昇圧力が燻っていることを示した。また、前年同月比では依然としてFRBの物価目標である2%を上回る中、総合指数が前月から上昇したほか、コア指数が前月から横這いとなるなど、物価目標の達成が一筋縄でいかないことを示している。
3.所得動向:賃金・給与の堅調が持続
3月の個人所得(前月比)は労働需給の逼迫が継続していることを背景に賃金・給与が+0.7%(前月:+0.7%)と23年1月以来の高い伸びとなった24年2月並みの伸びを維持した(図表2)。また、利息配当収入が+0.1%(前月比▲2.0%)と大幅なマイナスとなった前月から僅かならがプラスに転じた。一方、自営業者所得が+0.3%(前月:+0.5%)、移転所得が+0.3%(前月:+0.6%)と前月から伸びが鈍化した。
個人所得から税負担などを除いた可処分所得(前月比)は、3月の名目が+0.5%(前月:+0.2%)と前月から伸びが加速した(図表3)。また、価格変動の影響を除いた実質ベース(前月比)も+0.2%(前月:▲0.1%)と前月からプラスに転じた。
個人所得から税負担などを除いた可処分所得(前月比)は、3月の名目が+0.5%(前月:+0.2%)と前月から伸びが加速した(図表3)。また、価格変動の影響を除いた実質ベース(前月比)も+0.2%(前月:▲0.1%)と前月からプラスに転じた。
4.財消費の伸びが加速した一方、サービス消費の伸びは鈍化
3月の名目個人消費(前月比)は、サービス消費が+0.6%(前月:+0.8%)と前月から伸びが鈍化した一方、財消費が+1.3%(前月:+0.8%)と前月から伸びが大幅に加速した(図表4)。
財消費は、耐久財が+1.0%(前月:+1.6%)と前月からの伸びが鈍化した一方、非耐久財が+1.5%(前月:+0.4%)と前月から伸びが加速した。
耐久財では、自動車・自動車部品が+0.3%(前月:+3.0%)と大幅な伸びとなった前月からは伸びが鈍化した一方、家具・家電が+1.0%(前月:+0.2%)、娯楽財・スポーツカーが+1.6%(前月:+1.3%)、といずれも前月から伸びが加速した。
非耐久財では衣料・靴が横這い(前月:+0.1%)と前月から小幅ながらマイナスに転じた一方、食料・飲料が+1.1%(前月:+0.3%)、ガソリン・エネルギーが+5.9%(前月:+0.1%)と前月から伸びが大幅に加速した。とくに、ガソリン・エネルギーは実質ベースでも前月比+4.4%となっており、名目ベースの高い伸びはガソリン・エネルギーの価格上昇の影響ではないと言える。
サービス消費は、住宅・公共料金が+0.5%(前月:+0.4%)と前月から小幅ながら伸びが加速したほか、金融サービスが+0.9%(前月:+0.9%)、医療サービスが+0.7%(前月:+0.7%)と前月並みの伸びを維持した。一方、輸送サービスが+0.8%(前月:+2.0%)と前月から大幅に伸びが鈍化したほか、娯楽サービスが+1.0%(前月:+1.4%)、外食・宿泊が+0.5%(前月:+0.7%)も前月から伸びが鈍化した。
財消費は、耐久財が+1.0%(前月:+1.6%)と前月からの伸びが鈍化した一方、非耐久財が+1.5%(前月:+0.4%)と前月から伸びが加速した。
耐久財では、自動車・自動車部品が+0.3%(前月:+3.0%)と大幅な伸びとなった前月からは伸びが鈍化した一方、家具・家電が+1.0%(前月:+0.2%)、娯楽財・スポーツカーが+1.6%(前月:+1.3%)、といずれも前月から伸びが加速した。
非耐久財では衣料・靴が横這い(前月:+0.1%)と前月から小幅ながらマイナスに転じた一方、食料・飲料が+1.1%(前月:+0.3%)、ガソリン・エネルギーが+5.9%(前月:+0.1%)と前月から伸びが大幅に加速した。とくに、ガソリン・エネルギーは実質ベースでも前月比+4.4%となっており、名目ベースの高い伸びはガソリン・エネルギーの価格上昇の影響ではないと言える。
サービス消費は、住宅・公共料金が+0.5%(前月:+0.4%)と前月から小幅ながら伸びが加速したほか、金融サービスが+0.9%(前月:+0.9%)、医療サービスが+0.7%(前月:+0.7%)と前月並みの伸びを維持した。一方、輸送サービスが+0.8%(前月:+2.0%)と前月から大幅に伸びが鈍化したほか、娯楽サービスが+1.0%(前月:+1.4%)、外食・宿泊が+0.5%(前月:+0.7%)も前月から伸びが鈍化した。
5.価格指数:エネルギー価格は前月比、前年同月比ともに物価押上げ
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経歴
- 【職歴】
1991年 日本生命保険相互会社入社
1999年 NLI International Inc.(米国)
2004年 ニッセイアセットマネジメント株式会社
2008年 公益財団法人 国際金融情報センター
2014年10月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
(2024年04月30日「経済・金融フラッシュ」)
公式SNSアカウント
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