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- 「新築マンション価格指数」でみる東京23区のマンション市場動向【2023年】(1)~東京23区の新築マンション価格は前年比9%上昇。資産性を重視する傾向が強まり、都心は+13%上昇、タワーマンションは+12%上昇
「新築マンション価格指数」でみる東京23区のマンション市場動向【2023年】(1)~東京23区の新築マンション価格は前年比9%上昇。資産性を重視する傾向が強まり、都心は+13%上昇、タワーマンションは+12%上昇

金融研究部 主任研究員 吉田 資
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1.はじめに
そこで、本稿では、昨年3に続いて、新築マンションの販売データを用いて、品質調整をした「新築マンション価格指数」を作成し、2回に分けて、東京23区の新築マンション市場の動向を概観する。今回のレポートでは、東京23区全体の市場動向のほか、サブインデックスである「エリア別価格指数」と「タワーマンション価格指数」を用いて、各サブセクターの動向について解説する。また、次回のレポートでは、新築マンション価格の決定構造がコロナ禍を経て、どのように変化したかについて確認した上、新築マンション市場の今後の方向性について考察したい。
1 日経クロストレンド「億単位の物件を現金で 人口減でも外国人に人気の日本不動産」2023/2/16
2 日本経済新聞「東京23区の新築マンション価格、初の1億円超 23年平均」2024/1/25
3 吉田資『「新築マンション価格指数」でみる東京23 区のマンション市場動向(1)』、『「新築マンション価格指数」でみる東京23 区のマンション市場動向(2)』、『「新築マンション価格指数」でみる東京23 区のマンション市場動向(3)』(ニッセイ基礎研究所、不動産投資レポート2023年4月11日、2023 年4月21日、2023年5月26日)
2.「新築マンション価格指数」でみる東京23区の新築マンション価格
4 推計式は、『「新築マンション価格指数」でみる東京23区の市場動向(1)』の「3. 「新築マンション価格指数」の作成」を参照されたい。
5 上昇フェーズI:「2005年~2008年:リーマンショック前までの価格上昇局面(不動産ファンドバブル期)」、
下落フェーズII:「2009年~2012年:リーマンショック後の価格下落局面(東日本大震災を含む)」、
上昇フェーズIII:「2013年~:アベノミクス以降の価格上昇局面」。
「新築マンション価格指数」と不動産経済研究所が公表する「平均価格」(図表-3)および「m2単価」(図表-4)を比較すると、「平均価格」が前年比+39%、「m2単価」が同+34%と大幅に上昇したのに対して、「新築マンション価格指数」は同+9%の上昇に留まり、大きなかい離を示す結果となった。2023年は、総戸数が約1000戸と大規模かつ全住戸1億円以上とされる「三田ガーデンヒルズ」6等の高価格物件が供給された影響で、「平均価格」・「m2単価」が大幅に上昇したと考えられる。一方、高額物件の影響を取り除いて品質調整を行った「新築マンション価格指数」をみると、2023年の価格上昇率(前年比+9%)は前年(同+8%)並みであったと言えそうだ。
6 日本経済新聞「最高額45億円の三田ガーデンヒルズ、11月に2期目販売」2023/9/12
人手不足等に伴う建築コスト上昇や開発用地の不足を背景に、マンションデベロッパーは慎重な供給姿勢を維持しており、新築マンションの供給は減少傾向に変化は見られない。
(2024年04月18日「不動産投資レポート」)
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03-3512-1861
- 【職歴】
2007年 住信基礎研究所(現 三井住友トラスト基礎研究所)
2018年 ニッセイ基礎研究所
【加入団体等】
一般社団法人不動産証券化協会資格教育小委員会分科会委員(2020年度~)
吉田 資のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
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