- 本稿では、2回に分けて、関西圏の新築マンション市場の動向を概観する。第2回目の今回のレポートでは、「エリア別価格指数」と「タワーマンション価格指数」を算出し、その動向について解説した。また、新築マンション価格の決定構造が分析期間(2005年~2022年)においてどのように変化したかを確認した。
- 関西圏の新築マンション価格は、良好な需給環境が継続するなか、過去10年間で+59%上昇した。特に、大阪都心では+82%上昇し、東京都心と同水準の伸びとなった。一方、タワーマンション価格は2005年対比で約2倍に上昇したものの、2022年は9年ぶりに下落となった。東京23区を上回るペースで上昇してきた反動から足もとで頭打ち感も見られる。
- 今後は需給バランスの緩和によって、現在の「価格上昇フェーズ」が転換期を迎える可能性がある。関西圏で2023年以降に完成予定のタワーマンションは約1.7万戸となる見通しであり、過去5年間の新規供給数の約1.4倍に達する。今後の人口動態や金利動向次第では購入意欲が減退し、マンション価格が下落に転じる可能性に注意する必要がある。
- また、本稿では、(1)「駅近」への評価が急速に高まったこと、(2)アベノミクス以降、「住居の広さ」に対するプライオリティが低下したこと、(3)コロナ禍を契機に「中心部へのアクセス」への評価が低下したことを、確認した。関西圏では、首都圏以上に、消費者の新築マンションに求める機能や評価目線が大きく変化しており、マンション開発事業者は、ライフスタイルや消費者ニーズの変化に対応した事業戦略の策定が求められることになりそうだ。
1. はじめに
2. 「エリア別価格指数」の算出
3. 「タワーマンション価格指数」の算出
4. 新築マンション価格の決定構造の変遷
4-1. 「最寄り駅までのアクセス時間」に対する評価
~「駅近」の評価が高まる
4-2. 「住居の広さ」に対する評価
~アベノミクス以降、「広さ」へのプライオリティが低下
4-3. 「都市の中心部までのアクセス時間」に対する評価
~コロナ禍を契機に、中心部の評価が低下
5. おわりに