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ふるさと納税、使途選択の効果-人気の使途は寄付額アップにつながるのか?
金融研究部 主任研究員・年金総合リサーチセンター・ジェロントロジー推進室・ESG推進室兼任 高岡 和佳子
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毎年総務省が公表する「ふるさと納税に関する現況調査結果」の内容は徐々に充実しており、令和5年度の結果には、地方公共団体毎に、寄付の際に使途を選択できるか否か、選択できる場合は使途を指定できる分野及び、分野別の寄付受付件数や集まった寄付金額等の情報が含まれている。
この情報を用いて分析した結果、返礼品目的で寄付する納税者が大半を占めるため、使途を選択できるか否かが各地方公共団体の寄付額に与える影響が小さい事を確認した。
しかし、使途別の寄付金額は使途によって明らかに異なり、使途別の寄付金額の相違には寄付者の想いが反映されていると考えられる。一方、地方公共団体にも考えがあり、その考えに基づき提示する使途のラインナップを決定しているはずである。返礼品目的で寄付する納税者が返礼品を基準に寄付する地方公共団体を選択した後で、提示された使途のラインナップの中から使途を選択しているならば、使途別の寄付金額の相違が寄付者の想いを反映しているとは限らない。
そこで、寄付者の思いと地方公共団体の考えが及ぼす使途別寄付金額への影響を分析した結果、使途別の寄付金額の相違には、寄付者の思いも反映されているが、地方公共団体の考え(使途のラインナップ)による影響も大きいことが分かった。使途別の寄付金額だけでは、寄付者の思いを読み解くことは叶わない。もう少し詳細な情報と、分析が必要である。
■目次
1――はじめに
2――使途の選択可否と寄付額の関係
3――寄付額上位地方公共団体とそれ以外の地方公共団体における使途選択の差
4――地方公共団体が提示する使途ラインナップの影響と寄付者の選択
5――寄付額に及ぼす使途間の相互作用
6――まとめと今後の課題
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03-3512-1851
- 【職歴】
1999年 日本生命保険相互会社入社
2006年 ニッセイ基礎研究所へ
2017年4月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会検定会員
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