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インドネシアとシャリーア生命保険-シャリーア適格での生命保険普及はしばらく先か-
保険研究部 主任研究員・気候変動リサーチセンター兼任 磯部 広貴
インドネシアは人口で世界第4位の大国であり政情も安定しているものの、生命保険の普及は進んでいない。アジアの新興国平均にも後れを取っている。
その要因として、同国ではイスラム教徒が人口の8割超を占めるところ、従来の保険はシャリーアと呼ばれるイスラム教の法体系で認められないことが指摘されてきた。
イスラム教徒も加入しうるシャリーア適格の生命保険は、保険料の比率で11%強まで上昇してきたものの、保険料総額の推移が概ね横ばいであることから、同国における生命保険の普及を牽引しているとは言い難い。
同国の監督官庁は、取り扱う保険会社の経営を特化させ事業運営を効率化し競争力を高める目的から、シャリーア保険事業の切り離しを業界に求めてきた。昨年7月に発出した規則では、切り離し期限を2026年12月末まで延長するとともに、最低資本要件などを告知している。
今のところは体制整備が中心であり、シャリーア適格での生命保険普及はしばらく先と想定される。
■目次
1――はじめに
2――シャリーア適格とは
3――シャリーア生命保険の現状
4――行政の動向と業界の反応
5――おわりに
03-3512-1789
- 【職歴】
1990年 日本生命保険相互会社に入社。
通算して10年間、米国3都市(ニューヨーク、アトランタ、ロサンゼルス)に駐在し、現地の民間医療保険に従事。
日本生命では法人営業が長く、官公庁、IT企業、リース会社、電力会社、総合型年金基金など幅広く担当。
2015年から2年間、公益財団法人国際金融情報センターにて欧州部長兼アフリカ部長。
資産運用会社における機関投資家向け商品提案、生命保険の銀行窓版推進の経験も持つ。
【加入団体等】
日本FP協会(CFP)
生命保険経営学会
一般社団法人アフリカ協会
2006年 保険毎日新聞社より「アメリカの民間医療保険」を出版
公式SNSアカウント
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