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健康無関心層へのアプローチ

保険研究部 主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任 村松 容子
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3――「自分の健康状態を常に把握している」人の健康状態、健康行動
まず、健康行動として、睡眠や喫煙、体重等いわゆる健康と関連が深いとされるいくつかの健康行動や習慣について、それぞれあてはまるかどうかを尋ねた結果を、全体と、自分の健康状態はいつも自分で把握している人とで比較した(図表3)。その結果、自分の健康状態を常に把握している人では、健康に良いとされる行動や習慣を行っている割合が高かった。特に、「適正な体重を維持する」「過度の飲酒をしない」「ふだん、できるだけ歩くように心がけている」「食べるものにはいつも気を配っている」「定期的に健康診断を受けている」は全体と比べて20ポイント以上高かった。なお、「気を付けていることはない」は一人もいなかった。
また、健康行動を実践している割合も高い。特に、「適正な体重を維持する」「過度の飲酒をしない」「ふだん、できるだけ歩くように心がけている」「食べるものにはいつも気を配っている」「定期的に健康診断を受けている」は全体を大きく上回っていた。「定期的に健康診断を受けている」は、自分の健康状態を把握するための手段の1つであるが、全体の35.9%、把握していない人でも28.7%(図表略)が受けており、健康診断を受けていても、自分の健康状態を把握しているとは限らないようだ。
自分の健康状態を常に把握している人で、「健康である」と回答した割合が有意に高かった。自分の健康状態を把握していることで、自分の健康に自信を持つことができる可能性もあるし、自分の健康に自信を持っている人が積極的に健康状態を把握しようとしている可能性もあるだろう。
4――「自分の健康状態を常に把握していない人」の把握
また、健康状態を把握している人は「健康である」と回答した割合が有意に高かった。図表1、2に示したとおり、高齢者や疾病経験をもつ人で、健康状態を把握している人が多かったが、健康状態を把握し、適切な対応をとることが、健康の自信につながる可能性が考えられた。また、健康であることに自信をもつことで、自身の健康状態に関心をもつ可能性も考えられた。
今回の結果では、定期的な健康診断を受けていても、自分の健康状態を把握しているとは限らないことから、例えば、若年齢者には、職場等で受ける健康診断で、疾病リスクを発見するだけでなく、いかに自分自身の健康状態が良いのかを再認識できるようなものとすることで、さらに積極的に健康状態を把握しようとする関心につなげることができるかもしれない。さらなる分析をおこなっていきたい。
(2024年03月28日「基礎研レポート」)

03-3512-1783
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2003年 ニッセイ基礎研究所入社
村松 容子のレポート
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