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- 産業集積でみる東京オフィスエリアの特色~探索的空間解析によるオフィス需要の「ホットスポット」検出~
2024年03月06日
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■要旨
- 東京都区部でオフィス開発が相次ぐなか、不動産事業者は、各エリアにおけるオフィス需要を把握し、その特徴に合わせた事業戦略を練る必要性がこれまで以上に高まっている。一方、オフィスの新規供給量をエリア毎に把握することは一定程度可能であるものの、オフィス需要に関するエリア毎の特色は十分明らかになっていないと思われる。
- そこで、本稿では、「産業集積」に注目し、探索的空間解析の手法を用いて、「情報通信業」・「金融業,保険業」・「学術研究,専門・技術サービス業」の事業所立地について、オフィスエリア毎の特色やその経年変化を確認した。
- 分析の結果、産業集積が起こり、オフィス需要が底堅いと考えられる「ホットスポット」に分類された地区(町丁目・2021年)は、「情報通信業」で289箇所(2012年対比+3)、「金融業,保険業」で96箇所(同▲32)、「学術研究,専門・技術サービス業」で255箇所(同+27)であった。
- 今後も、優秀な人材確保や技術のキャッチアップ等の観点から、産業集積は進み、それに伴う新しい企業の誕生(進出)等が期待される。上記の3業種において、「ホットスポット」の占める割合が50%以上のエリアは、「丸の内・大手町」・「麹町・番町」・「京橋・八重洲・日本橋」・「銀座」・「新橋・虎ノ門」・「西新宿」・「東池袋・南池袋」の7エリアであった。複数の業種で産業集積が進んでいるエリアは、オフィス需要が強く環境変化に対する強靭性の高いエリアと評価できるだろう。
- 大規模オフィスの新規供給が増えるなか、コロナ禍前は1%程度と低位であった空室率は上昇し、エリア間の格差も拡大している。不動産事業者や不動産運用者は、各エリアの特色を踏まえた事業戦略や不動産マネジメントが一層求められることになりそうだ。
(2024年03月06日「不動産投資レポート」)
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03-3512-1861
経歴
- 【職歴】
2007年 住信基礎研究所(現 三井住友トラスト基礎研究所)
2018年 ニッセイ基礎研究所
【加入団体等】
一般社団法人不動産証券化協会資格教育小委員会分科会委員(2020年度~)
吉田 資のレポート
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