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- わが国のサードプレイスオフィス市場の現況 -2023年-(2)~全都道府県の約3分の1、首都圏および京阪神の約6割の市区町村で、拠点開設の余地あり~
わが国のサードプレイスオフィス市場の現況 -2023年-(2)~全都道府県の約3分の1、首都圏および京阪神の約6割の市区町村で、拠点開設の余地あり~

金融研究部 上席研究員 吉田 資
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- 本稿では、2回に分けて、全国的に需要が高まっているサードプレイスオフィスの現状について、概観する。第2回目の今回のレポートでは、コロナ禍を経たサードブレイスオフィス利用の方向性に関する考察や、テレワーク人口の分布とサードプレイスオフィスの拠点展開との比較分析等を行った上で、今後のオフィス市場に及ぼす影響等について考えた。
- コロナ禍を経て、テレワークを取り入れたハイブリットな働き方が定着するなか、自宅での執務環境に悩む就業者は多い。また、自然災害等に加えて感染症リスクも強く認識されて、大企業を中心に事業拠点の分散等のBCP策定が進んでいる。一方で、政府は、都市部に立地する企業などに勤務したまま地方に移住して地方で仕事をする「転職なき移住」を推進している。また、コロナ禍の落ち込みから回復傾向にあるスタートアップ企業やフリーランスは、オフィスの選定に際して、移転自由度の確保や立地のステータスを求めている。以上の状況を鑑みると、今後、サードプレイスオフィスの利用ニーズは更に高まることが予想される。
- 潜在的な顧客数を示す「テレワーク人口」の分布とサードプレイスオフィスの拠点展開を比較分析したところ、全都道府県の約3分の1、首都圏および京阪神の約6割の市区町村で、サードプレイスオフィスの開設余地は残されている。今後、サードプレイスオフィスは、都市部、地方を問わず、オフィス市場に及ぼす影響が高まる可能性があり、その動向を注視していきたい。
■目次
1.はじめに
2.コロナ禍を経たサードブレイスオフィス利用の方向性
2-1.「テレワーク」対応としての利用
2-2.BCP対応としての利用
2-3.地方のサテライトオフィスとしての利用
2-4.スタートアップ企業やフリーランスの拠点としての利用
3.サードプレイスオフィスの拠点分布とテレワーク人口
4.おわりに
(2023年12月19日「不動産投資レポート」)
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03-3512-1861
- 【職歴】
2007年 住信基礎研究所(現 三井住友トラスト基礎研究所)
2018年 ニッセイ基礎研究所
2025年7月より現職
【加入団体等】
一般社団法人不動産証券化協会資格教育小委員会分科会委員(2020年度~)
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