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- 日本とドイツのGDP推移
2024年02月16日
■要旨
- 23年のドル建て名目GDPで、ドイツが日本を抜いた(図表1)。本稿では、世界の主要国・地域における日本とドイツの経済的な立ち位置について、GDP統計データを参照しつつ日本とドイツとの比較を行った。
- 日本は、実勢レート換算のドル建て名目GDPで09年まで米国に次ぐ世界第2位の経済規模であったが、10年に中国に抜かれ第3位となり、23年にドイツに抜かれて第4位となった。この順位の変動は実勢レートの変動による部分も大きく、購買力の観点で見ると80年以降、日本はドイツの購買力平価換算の名目GDPを一貫して上回っている。
- ドイツの人口は日本より少ないため、1人あたりの名目GDP(購買力平価換算)で比較すると、80年以降、日本は一貫してドイツを下回る。ドイツと日本の差は拡大傾向にあり、23年時点では日本の1人あたり名目GDPは米国比で約65%の水準まで低下する一方、ドイツは米国比で8割超の水準を維持している。また、高齢化を加味した生産年齢人口1人あたりの名目GDPでも日本はドイツを下回る。
- 日本とドイツの実質GDP成長率を比較すると、90年代半ば以降、20年頃まで、日本の実質成長率はドイツの実質成長率を下回ってきた(図表2)。90年以降、ドイツは構造改革の成功と単一市場の恩恵もあって国際分業を進め、輸出競争力を維持してきた。一方で日本では、製造業の海外進出は進んだが国内の輸出競争力は総じて低下し、低めの成長が続いたと見られる。
- ただし、コロナ禍やロシアによるウクライナ侵攻以降、世界の経済環境は大きく変化している。ドイツでも輸出環境が大きく悪化し、競争力低下が懸念されている。労働力の確保やサプライチェーンの強靭化は日本でもドイツでも直面する課題である。輸出主導国には厳しい局面だが、両国がこうした課題にどのように対応してくのか注目される。
■目次
1.名目GDPランキング
・名目GDPランキング、実勢レートと購買力平価
・名目GDPランキング、1人あたり換算
・生産年齢人口1人あたりのGDP、少子高齢化の影響
2.マクロ経済の日独比較
・消費・投資・輸出の日独比較
・日独経済の歩み
1.名目GDPランキング
・名目GDPランキング、実勢レートと購買力平価
・名目GDPランキング、1人あたり換算
・生産年齢人口1人あたりのGDP、少子高齢化の影響
2.マクロ経済の日独比較
・消費・投資・輸出の日独比較
・日独経済の歩み
(2024年02月16日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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