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日本の母子保健 低出生低体重児(2)-出生体重2,500g未満の低出生体重児は、男児よりも女児、単産よりも複産、母親の年齢45歳以上で高い割合-

生活研究部 研究員・ジェロントロジー推進室・ヘルスケアリサーチセンター 兼任 乾 愛
1――はじめに
前稿では3、低出生体重児の現状を整理し、2019年の低出生体重児は81,462人と、出生総数865,239人うち9.4%を占め、1975年の5.1%からおよそ4.3%ptも上昇していることが明らかとなった。
続いて、本稿では、厚生労働省の人口動態統計のデータを用いて、低出生体重児における子どもの性別、出生児数(単産・複産)による差異、母親の年齢による属性別の特徴を整理した結果を示す。
1 国立成育医療研究センター(2023)“Association between birthweight and prevalence of
cardiovascular disease and other lifestyle-related diseases among Japanese population: JPHC-NEXT Study” Journal of Epidemiology,
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jea/advpub/0/advpub_JE20230045/_pdf/-char/en
2 エコチル調査北海道ユニットセンター(2022)“Severity of low pre-pregnancy body mass index
and perinatal outcomes: the Japan Environment and Children’s Study” BMC Pregnancy and
Childbirth volume 22, Article number: 121 (2022).
3 乾愛,基礎研レター「日本の母子保健低出生低体重児(1)-2019年の低出生体重児が占める割合は9.4%、1975年から4.3%ptも上昇-」(2024年1月30日)
https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=77379?site=nli
2――低出生体重児における属性別の特徴
2019年における単産の低出生体重児数は、69,040人と単産の出生総数847,837人のうち8.1%を占めていることが明らかとなった。一方で、2019年における複産の低出生体重児数は、12,422人と、複産の出生総数17,402人のうち71.4%を占めることが明らかとなった。
また、1975年から比較すると、単産の低出生体重児の割合は、4.6%から8.1%と3.5%ptも上昇し、複産における低出生体重児の割合も、52.5%から71.4%と18.9%も上昇していることが明らかとなった。
一般的に、双胎以上の多胎妊娠では、限られた子宮内で母体とつながる胎盤領域の大きさに差が生じる場合に、体重の差が生じることが知られており、子宮内である程度の胎盤の大きさを確保できる単産よりも、複産、つまり双胎以上の多胎児の方が低出生体重児の割合が高くなりやすい。本データの出生児数の差異による低出生体重児の出現割合についても、多胎児特有の成育環境が影響している結果であると考えられる。
(2024年02月01日「基礎研レター」)
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03-3512-1847
- 【職歴】
2012年 東大阪市 入庁(保健師)
2018年 大阪市立大学大学院 看護学研究科 公衆衛生看護学専攻 前期博士課程修了
(看護学修士)
2019年 ニッセイ基礎研究所 入社
2019年~大阪市立大学大学院 看護学研究科 研究員(現:大阪公立大学 研究員)
【資格】
看護師・保健師・養護教諭一種・第一種衛生管理者
【加入団体等】
日本公衆衛生学会・日本公衆衛生看護学会・日本疫学会
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