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月経関連症状の自覚に影響する要因とは?-学歴や喫煙・朝食欠食習慣、出産経験が有意に影響、若年期での受診行動の促進や生活習慣を大事に-
生活研究部 研究員・ジェロントロジー推進室・ヘルスケアリサーチセンター 兼任 乾 愛
本稿では、弊社の「被用者の働き方と健康に関する調査」の結果を活用し、就労中の女性2,289人のうち、現在月経関連症状が出現していると想定される20歳代~40歳代(N=1,646)を分析対象として、月経関連症状を呈する女性の特徴を統計学的に分析した結果を示した。
多変量解析の結果、月経関連症状の自覚がある女性は、「最終学歴(高卒以下)」、「喫煙・朝食欠食」、「子ども無し」という特徴を有することが明らかとなり、運動習慣がない者に関しては、月経関連症状の自覚なしへ影響を与えていたことが明らかとなった。(ただし、運動習慣のオッズ比は小さいため誤差範囲の可能性があることに留意。)
最終学歴が高卒以下である場合には、月経関連症状に対する知識の習得機会や適切な対処行動を学ぶ機会がなかったことが懸念され、喫煙習慣は、煙草に含まれるニコチン等の成分による血流障害が痛みを強め、朝食欠食は子宮収縮を緩和させるビタミン成分の不足が影響、さらに子ども無し=妊娠・出産の経験無しが経血の排出促進による子宮収縮による痛みの知覚に影響していることが推察される結果となった。
一方で、運動習慣については、一定の安静姿勢が、月経関連症状の痛みの緩和に役立ち、今回の結果につながったものと推察された。しかし、安静姿勢といってもリラクゼーション方や血行促進法などの対処行動を組み合わせることでより効果が期待できることから、自身の安楽姿勢(状態)を模索し続ける必要はあろう。引き続き、女性の健康に関する分析結果を公表予定である。
■目次
1――はじめに
2――月経関連症状を自覚する女性の特徴
1|分析対象者
2|年代別の月経関連症状の自覚有無
3|職業別の月経関連症状の自覚有無
4|最終学歴別の月経関連症状の自覚有無
5|子どもの有無・人数別、月経関連症状の自覚有無
3――月経関連症状の自覚有無に影響する要因分析
1|月経関連症状の自覚に影響する要因分析(ロジスティック回帰分析)の結果
2|「最終学歴(高卒以下)」、「喫煙・朝食欠食習慣あり」、「子ども無し」が、
月経関連症状の自覚ありに有意に影響
3|「運動習慣がない」=「一定の安静状態」が月経関連症状の緩和に効果か
4――まとめ
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03-3512-1847
- 【職歴】
2012年 東大阪市 入庁(保健師)
2018年 大阪市立大学大学院 看護学研究科 公衆衛生看護学専攻 前期博士課程修了
(看護学修士)
2019年 ニッセイ基礎研究所 入社
2019年~大阪市立大学大学院 看護学研究科 研究員(現:大阪公立大学 研究員)
【資格】
看護師・保健師・養護教諭一種・第一種衛生管理者
【加入団体等】
日本公衆衛生学会・日本公衆衛生看護学会・日本疫学会
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