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新NISA、50代などからの資産形成はどうするのか-新NISAをどう活用すれば良いのか。まだ間に合うのか。
金融研究部 研究員 熊 紫云
- 50代以上の人は一定程度以上の貯蓄が積み上がっていると考えられる。このレポートでは、そういった方々を対象に、過去データに基づく試算を行った結果から、新NISA等を活用して、どのような投資対象を選べば良いのかを考えた。
- 試算は代表的な市場インデックス型商品「国内債券型」、「外国債券型」、「国内株式型」、「全世界株式型」、「先進国株式型」、「米国株式型」に一括投資し、5年、10年、15年という投資期間でシミュレーションした。その結果、ほとんどのケースで最終時価残高の平均値の順位は米国株式型(S&P 500)、先進国株式型、全世界株式型であった。
- 投資期間5年の場合、どの投資対象でも元本割れリスクがある。債券型は元本割れリスクは小さいものの、時価上昇が見込めず、株式型は短期的価格変動が大きく、元本割れリスクが高い。
投資期間10年の場合、債券型はリスクが限定的である一方、時価の増加はあまり見込めない。米国株式型等の外国株式型は、運が良ければ、高い資産形成金額が期待できる一方、株価暴落等で投資元本が大きく減少する可能性がある。ただし、ある程度待てば時価が回復する可能性も高い。
投資期間15年の場合、どの投資対象でも元本割れのケースがなかった。債券型の時価増加は限定的で、外国株式型は時価が大きく増加する可能性がかなり高い。
- こうした結果を踏まえると、50代前半の人は15年程度の投資が可能なので、新NISAの成長投資枠等で米国株式型等の外国株式型に一括投資すれば、高い収益が期待できる。つみたて投資枠を併用するのも良い。
50代後半及びそれ以降で、資産形成がある程度出来ていても経済的にそれほど余裕がない人、あまり投資経験がなく自信がない人、元本割れのリスクを取りたくない人は、無理をせずに預貯金、個人向け国債などを活用すべきである。
一方で、投資に自信のある人や資金的に余裕のある人は、年齢に関係なく、新NISA等の税制優遇制度の恩恵を最大限に生かし、成長投資枠で外国株式型へ一括投資すれば良いと思う。
50代になっても老後資金等の資産形成はまだ間に合う。新NISA等の税制優遇制度を十分に活用して、できるだけ早く投資をスタートしてみてはどうだろうか。
■目次
はじめに
1――1,000万円で一括投資したら5年、10年、15年でいくらになるのか
2――新NISA等で資産形成はどうするのか
3――まとめ
(2024年01月19日「基礎研レポート」)
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03-3512-1856
- 【職歴】
2020年 日本生命保険相互会社入社
2021年4月 ニッセイ基礎研究所へ
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会検定会員
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