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- 米共和党下院議員が21年ぶりに除名処分-後任を決める特別選挙は24年議会選挙の試金石に
コラム
2023年12月04日
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米連邦下院議会は倫理規定違反でジョージ・サントス氏の除名処分を決定
米国の連邦下院議会は12月1日に倫理規定違反を理由に共和党下院議員のジョージ・サントス氏を除名することを決定した。除名処分は21年ぶりとなる。除名を決める投票では427名の出席議員のうち、賛成311票、反対114票と賛成票が除名に必要な3分2を超えた。政党別では民主党が賛成206票、反対2票と圧倒的多数が賛成票を投じたほか、お膝元の共和党でも賛成105票、反対112票と半分近い議員が賛成票を投じる異例の事態となった。
一方、下院でこれまで除名された議員は南北戦争時代に南軍に協力したことを理由に除名された3名を除き3名となった。ただし、サントス氏以外の残り2名は連邦刑事事件で有罪判決を受けたことを理由に除名されているのに対して、同氏は後述するように23件の刑事事件で起訴されているものの、現時点で有罪判決を受けておらず、有罪判決を受ける前に除名されるはじめてのケースとなる。
下院共和党執行部は有罪判決を受ける前に除名処分を決定することは、今後の悪しき前例となるとの理由により、執行部5名のうちジョンソン下院議長やスカリース院内総務をはじめ4名が除名処分に反対票を投じた。
一方、下院でこれまで除名された議員は南北戦争時代に南軍に協力したことを理由に除名された3名を除き3名となった。ただし、サントス氏以外の残り2名は連邦刑事事件で有罪判決を受けたことを理由に除名されているのに対して、同氏は後述するように23件の刑事事件で起訴されているものの、現時点で有罪判決を受けておらず、有罪判決を受ける前に除名されるはじめてのケースとなる。
下院共和党執行部は有罪判決を受ける前に除名処分を決定することは、今後の悪しき前例となるとの理由により、執行部5名のうちジョンソン下院議長やスカリース院内総務をはじめ4名が除名処分に反対票を投じた。
ジョージ・サントス氏は経歴を詐称、政治資金の不正使用など23件の刑事事件で起訴
今回除名が決まったジョージ・サントス氏はロング・アイランドとクイーンズを含むニューヨーク州第3選挙区から出馬し、22年の選挙で初当選を果たした。同議員は35歳でアフリカ系アメリカ人の父親とブラジル出身の母親を持つ。
同議員は下院選出馬に際して、次のような経歴を示していた。母方の祖父母はウクライナ系ユダヤ人移民でナチスによるホロコーストを逃れてベルギー経由でブラジルに亡命した。ニューヨーク市立大学を優秀な成績で卒業後、ニューヨーク大学で経営学修士を取得した。シティグループとゴールドマン・サックスで14年間働いた。しかしながら、23年1月の議員就任前からニューヨーク・タイムズなどがこれらの学歴や職歴が詐称であることを報道し、同議員に対する疑惑が浮上した。
また、同議員を巡る疑惑は経歴詐称に留まらず、資金の不正使用、財務状況に関する下院への虚偽説明、失業手当の不正受給などが次々に発覚し、5月にニューヨークの連邦検事から電信詐欺、資金洗浄、公金窃盗、下院での重大な虚偽陳述など13件で起訴された。さらに、10月には政治資金寄付者のクレジットカード情報を盗み、買い物をした容疑などで新たに10件が追加され、合計23件で起訴された。現在は裁判に向けた捜査が進められている。
一方、これらの疑惑に対して、24年に予定されている議会選挙への影響を恐れるニューヨーク州選出の共和党下院議員などから同議員を除名するための決議案が提出され11月1日に採決が行われたが、賛成179票に対して反対は213票と除名に必要な3分の2の賛成には遠く及ばなかった。
しかしながら、検察とは別に疑惑を調査する下院倫理委員会の報告書が11月16日に公表されて風向きが大きく変わった。同報告書では17万ページを超える文書や数十人の証人からの証言を精査した結果、不法行為を示す「実質的な証拠」の存在が示されたほか、「自身の個人的な経済的利益のために、下院議員選挙のあらゆる側面を不正に利用した」ことが明記された。同報告書を受けて1日の除名決議で反対を表明した複数の議員が今後は賛成票を投じることを表明するなど、サントス氏に対する辞任圧力が高まった。この結果、同氏は議員辞職を否定したものの、24年の選挙で再選を目指さないことを表明していた。
同議員は下院選出馬に際して、次のような経歴を示していた。母方の祖父母はウクライナ系ユダヤ人移民でナチスによるホロコーストを逃れてベルギー経由でブラジルに亡命した。ニューヨーク市立大学を優秀な成績で卒業後、ニューヨーク大学で経営学修士を取得した。シティグループとゴールドマン・サックスで14年間働いた。しかしながら、23年1月の議員就任前からニューヨーク・タイムズなどがこれらの学歴や職歴が詐称であることを報道し、同議員に対する疑惑が浮上した。
また、同議員を巡る疑惑は経歴詐称に留まらず、資金の不正使用、財務状況に関する下院への虚偽説明、失業手当の不正受給などが次々に発覚し、5月にニューヨークの連邦検事から電信詐欺、資金洗浄、公金窃盗、下院での重大な虚偽陳述など13件で起訴された。さらに、10月には政治資金寄付者のクレジットカード情報を盗み、買い物をした容疑などで新たに10件が追加され、合計23件で起訴された。現在は裁判に向けた捜査が進められている。
一方、これらの疑惑に対して、24年に予定されている議会選挙への影響を恐れるニューヨーク州選出の共和党下院議員などから同議員を除名するための決議案が提出され11月1日に採決が行われたが、賛成179票に対して反対は213票と除名に必要な3分の2の賛成には遠く及ばなかった。
しかしながら、検察とは別に疑惑を調査する下院倫理委員会の報告書が11月16日に公表されて風向きが大きく変わった。同報告書では17万ページを超える文書や数十人の証人からの証言を精査した結果、不法行為を示す「実質的な証拠」の存在が示されたほか、「自身の個人的な経済的利益のために、下院議員選挙のあらゆる側面を不正に利用した」ことが明記された。同報告書を受けて1日の除名決議で反対を表明した複数の議員が今後は賛成票を投じることを表明するなど、サントス氏に対する辞任圧力が高まった。この結果、同氏は議員辞職を否定したものの、24年の選挙で再選を目指さないことを表明していた。
後任を決める特別選挙は24年議会選挙の試金石に
今回の除名を受けてニューヨーク州の州法に基づき、キャシー・ホークル州知事が除名処分決定から10日以内にサントス氏の後任を決める特別選挙の期日を決定し、期日発表から70~80日以内に特別選挙を実施することになっている。
ニューヨーク州第3選挙区では2013年から22年まで民主党議員が議席を獲得していたが、前回選挙では同選挙区の犯罪率が上昇する中で、共和党による治安改善のアピールが評価されて同党の議席獲得に繋がった。ただし、共和党の不祥事に伴う特別選挙では同党への逆風は避けられないだろう。特別選挙に向けては既に両党合わせて20名以上が候補者に名乗りを上げているようだ。
一方、サントス氏の除名により、現時点で下院の議席数は共和党が221議席と過半数の218議席まで僅か3議席となった。このため、共和党としては議会運営上これ以上議席を減らすことは避けたいと考えており、同選挙区の議席を死守したい構えだ。また、民主党も24年の議会選挙で過半数を得るための弾みをつける上で2月に予定される特別選挙で共和党からの議席奪還を目指しており、特別選挙のために数千万ドルをつぎ込むと予想されている。
米国では24年に議会選挙が予定されており、今後実施される特別選挙は、24年の選挙結果を占う上で重要な試金石となろう。
ニューヨーク州第3選挙区では2013年から22年まで民主党議員が議席を獲得していたが、前回選挙では同選挙区の犯罪率が上昇する中で、共和党による治安改善のアピールが評価されて同党の議席獲得に繋がった。ただし、共和党の不祥事に伴う特別選挙では同党への逆風は避けられないだろう。特別選挙に向けては既に両党合わせて20名以上が候補者に名乗りを上げているようだ。
一方、サントス氏の除名により、現時点で下院の議席数は共和党が221議席と過半数の218議席まで僅か3議席となった。このため、共和党としては議会運営上これ以上議席を減らすことは避けたいと考えており、同選挙区の議席を死守したい構えだ。また、民主党も24年の議会選挙で過半数を得るための弾みをつける上で2月に予定される特別選挙で共和党からの議席奪還を目指しており、特別選挙のために数千万ドルをつぎ込むと予想されている。
米国では24年に議会選挙が予定されており、今後実施される特別選挙は、24年の選挙結果を占う上で重要な試金石となろう。
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(2023年12月04日「研究員の眼」)

03-3512-1824
経歴
- 【職歴】
1991年 日本生命保険相互会社入社
1999年 NLI International Inc.(米国)
2004年 ニッセイアセットマネジメント株式会社
2008年 公益財団法人 国際金融情報センター
2014年10月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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