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国民所得と株価-バフェット指標から所得と株価を考える
経済研究部 主任研究員 高山 武士
- 実体経済の代表的な指標であるGDP(および国民所得)と株価の関係についてバフェット指標を手掛かりに主要先進国(米国、日本、ユーロ圏)の動向を調べた。
- バフェット指標(株価時価総額のGDP比、あるいは国民所得比)は、米国では00年前後のITバブル期、日本では80年代後半のバブル期に大きく上昇した。米国と日本では、金融危機後のバフェット指標も上昇傾向にあり、足もと、過去と比較して高水準となっている。一方、ユーロ圏ではITバブル期にやや上昇しているものの、金融危機前および危機後のいずれにおいても比較的変動は小さく、安定している。
- バフェット指標が高いと株価(時価総額)が割高だとされるが、最近の米国や日本におけるバフェット指標の上昇は株主に帰属するキャッシュフローや企業利益を伴った上昇となっている。バフェット指標の高さを正当化する要因も存在している。
- 金融危機以降、世界的に利子率が低く抑制されてきた。米国の状況を調べると、利子率が名目所得成長率を下回る状況が常態化したことで、借入による資金調達コストが低下して、債権者への還元が抑制されてきた。これは株主への還元を増加させ、株価の上昇を促した可能性がある。
- コロナ禍を経て、マクロの経済環境が変化している。金融危機以降、名目利子率は低く抑制されてきたが、現在は高インフレと金融引き締めの積極化で金利が上昇している。企業の借入コストが増加することで配当など株主への還元が抑制されれば、今後、株価の重しとなる可能性がある。また、高インフレによる名目所得成長率の上昇は将来の配当増加などを通じて株価の押し上げ要因となるものの、インフレや金利上昇を受けて投資家がそれ以上に期待収益率を高めると株価は下落しやすくなる。コロナ禍後の実体経済や株価の動向が引き続き注目される。
1.実体経済と株価
・バフェット指標とは
2.バフェット指標と株価モデル
・マクロで見た割引配当モデル
・米国のバフェット指標とその分解
・マクロで見た割引フリーキャッシュフローモデル
・米国の所得分配の変化
・日本とユーロ圏
3.おわりに

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