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- 鉱工業生産23年8月-生産は横ばい圏の動き
2023年09月29日
1.8月の生産は前月から横ばい
経済産業省が9月29日に公表した鉱工業指数によると、23年8月の鉱工業生産指数は前月比0.0%(7月:同▲1.8%)の横ばいとなり、事前の市場予想(QUICK集計:前月比▲1.1%、当社予想は同▲0.6%)を上回る結果となった。出荷指数は前月比0.1%と2ヵ月ぶりの上昇、在庫指数は前月比▲1.7%と4ヵ月ぶりの低下となった。
8月の生産を業種別に見ると、石油・石炭製品が前月比5.5%の高い伸びとなったが、大手メーカーのシステムトラブルによる工場の一時稼働停止の影響もあり、自動車が同▲3.9%と落ち込んだほか、半導体製造装置を含む生産用機械が同▲0.5%と2ヵ月連続で低下した。
財別の出荷動向を見ると、設備投資のうち機械投資の一致指標である資本財出荷指数(除く輸送機械)は23年4-6月期の前期比3.8%の後、7月が前月比▲4.6%、8月が同1.5%となった。また、建設投資の一致指標である建設財出荷指数は23年4-6月期の前期比▲1.0%の後、7月が前月比▲3.3%、8月が同▲1.7%となった。
8月の生産を業種別に見ると、石油・石炭製品が前月比5.5%の高い伸びとなったが、大手メーカーのシステムトラブルによる工場の一時稼働停止の影響もあり、自動車が同▲3.9%と落ち込んだほか、半導体製造装置を含む生産用機械が同▲0.5%と2ヵ月連続で低下した。
財別の出荷動向を見ると、設備投資のうち機械投資の一致指標である資本財出荷指数(除く輸送機械)は23年4-6月期の前期比3.8%の後、7月が前月比▲4.6%、8月が同1.5%となった。また、建設投資の一致指標である建設財出荷指数は23年4-6月期の前期比▲1.0%の後、7月が前月比▲3.3%、8月が同▲1.7%となった。
23年4-6月期のGDP統計の設備投資は、前期比▲0.6%の減少となったが、1-3月期の同1.6%と均してみれば、高水準の企業収益を背景に底堅さを維持していると判断される。
消費財出荷指数は23年4-6月期の前期比3.4%の後、7月が前月比▲0.6%、8月が同▲0.5%となった。8月は耐久消費財が前月比3.9%、非耐久消費財が前月比▲0.4%であった。
GDP統計の民間消費は、23年1-3月期の前期比0.6%の後、4-6月期は同▲0.6%と3四半期ぶりに減少した。新型コロナウイルス感染症の5類への移行を受けて、サービス消費が回復する一方、物価高の影響で食料、被服などの財消費は弱めの動きとなっている。
消費財出荷指数は23年4-6月期の前期比3.4%の後、7月が前月比▲0.6%、8月が同▲0.5%となった。8月は耐久消費財が前月比3.9%、非耐久消費財が前月比▲0.4%であった。
GDP統計の民間消費は、23年1-3月期の前期比0.6%の後、4-6月期は同▲0.6%と3四半期ぶりに減少した。新型コロナウイルス感染症の5類への移行を受けて、サービス消費が回復する一方、物価高の影響で食料、被服などの財消費は弱めの動きとなっている。
2.7-9月期の生産は前期比ほぼ横ばいの公算
製造工業生産予測指数は、23年9月が前月比5.8%、10月が同3.8%となった。生産計画の修正状況を示す実現率(8月)、予測修正率(9月)はそれぞれ▲3.5%、▲0.3%であった。
予測指数を業種別にみると、工場の稼働停止の影響で8月に前月比▲4.0%と落ち込んだ輸送機械は9月が前月比8.1%、10月が同5.3%の大幅増産計画となっている。
23年8月の電子部品・デバイスの出荷・在庫バランス(出荷・前年比-在庫・前年比)は▲5.7%となり、23年7月の▲18.9%からマイナス幅が大きく縮小した。出荷のマイナス幅が7月の前年比▲14.2%から同▲7.0%へと縮小する一方、在庫が7月の前年比4.8%から同▲1.3%と減少に転じた。単月の動きだけで在庫調整が進捗したとするのは早計であり、今後の動向が注目される。
予測指数を業種別にみると、工場の稼働停止の影響で8月に前月比▲4.0%と落ち込んだ輸送機械は9月が前月比8.1%、10月が同5.3%の大幅増産計画となっている。
23年8月の電子部品・デバイスの出荷・在庫バランス(出荷・前年比-在庫・前年比)は▲5.7%となり、23年7月の▲18.9%からマイナス幅が大きく縮小した。出荷のマイナス幅が7月の前年比▲14.2%から同▲7.0%へと縮小する一方、在庫が7月の前年比4.8%から同▲1.3%と減少に転じた。単月の動きだけで在庫調整が進捗したとするのは早計であり、今後の動向が注目される。
23年8月の生産指数を9月の予測指数で先延ばしすると、23年7-9月期の生産は前期比1.0%となるが、実際の生産が計画から下振れる傾向があることを考慮すれば、ほぼ横ばいにとどまることが見込まれる。海外経済の減速に伴う輸出の伸び悩みが続くことに加え、物価高の影響などから国内の財消費が弱めの動きとなっていることから、鉱工業生産の回復基調が明確となるまでにはしばらく時間がかかることが予想される。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
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経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
(2023年09月29日「経済・金融フラッシュ」)
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