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- 英国雇用関連統計(23年8月)-失業率は悪化傾向だが、賃金上昇圧力も依然強い
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1.結果の概要:失業率は4.3%まで上昇
【8月】
・失業保険申請件数1は前月(155.02万件)から0.09万件増の155.11万件となった(図表1)。
・申請件数の雇用者数に対する割合は4.0%となり、前月(同4.0%)から横ばいだった。
・給与所得者数2は前月(3014.00万人)から0.1万人減の3013.91万人となった。
増減数は前月(▲0.4万人)から減少幅が縮小し、市場予想3(+3.0万人)を下回った。
【7月(23年5-7月の3か月平均)】
・失業率は4.3%で前月(4.2%)から上昇、市場予想(4.3%)と一致した(図表1)。
・就業者は3288.2万人で3か月前の3308.9万人から20.7万人減少した。
増減数は前月(▲6.6万人)から減少幅が拡大し、市場予想(▲19.5万人)も下回った。
・週平均賃金は、前年同期比8.5%で前月(8.4%)から上昇、市場予想(8.2%)も上回った(図表2)。
1 求職者手当(JSA:Jobseekerʼs Allowance)、国民保険給付(National Insurance credits)を受けている者に加えて、主に失業理由でユニバーサルクレジット(UC)を受給している者の推計数の合算。なお、UCはJSAより幅広い求職手当てであり、失業者数を示す統計としては過大評価している可能性がある。このため、ONSは失業保険等申請件数について公式統計とはしておらず実験統計という位置付けで公表している。ただし、公表日の前月のデータを入手できるため、速報性の高さという利点がある。
2 歳入関税庁(HRMC)の源泉徴収情報を利用した統計。直近データは約85%のデータから推計(22年7月から推計方法変更)。
3 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。
2.結果の詳細:賃金上昇率は依然として高い
給与所得者データでは、8月の給与所得者数(速報値)が前月差で▲0.1万人だった。7月分のデータが改定され前月差マイナスとなったため(+9.7万人→▲0.4万人)、2か月連続で減少したことになる(図表4)。8月の給与額(中央値)は前年同月比6.7%で7月(7.6%)から減速している。
処遇改善を求めたストライキは、7月は件数ベースで663件、労働損失日数で28.1万日と再び増加している(図表6)。件数・損失日数ともに公的部門を中心に活動が増加した。
4 3か月平均のデータは季節調整値だが、単月データは未季節調整値のため季節性が除去されていないため留意が必要。
(2023年09月13日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1818
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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